人形姫(二)
 まるで、可笑しなものを見るように、理解することが出来ないものを眺めるような視線を確かに感じる。それから、彼等は明らかに僕をちらちらと見ながら、会話を始めた。会話の内容まで聞き取ることは出来ないものの、大体の予想は出来た。話に加わっていない人もいたが、その人は会話をしない分、僕の方を見ながら、これみよがしに扇子であおいでいた。

 僕はこんな奇怪しなバスからは早く降りた方が身のためだ、と思った。

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