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長門有希の感情(小説)
夕暮れの中
俺は古泉ばりの笑顔を作って長門を見た。ほんの少しだけ笑い返してくれた気がした。(俺の勘違いかもしれんが)
しかし、こいつが勘違いしたにせよ、俺が一緒に帰ろうっていったらこうやって着いてくることがわかったわけだ。ふと思ったのだが、こいつは以外に人に尽くすタイプなのでは?俺が困った時に助け船をくれるのはいつも長門だ。そう考えると普段喋らない無愛想なこいつも少しは可愛く見えてくる。俺は何の気なしにいつか感じた疑問をぶつけてみた。
「なあ、おまえらみたいなやつでも寂しいとか思ったりするのか?」
長門は少し間を置いて
「ない」
と答えた。そうか俺の勘違いだったか
「でも」
長門はまっすぐにこちらを見て、
「楽しいと思うことはある。今みたいに」
ドキリとした。夕日に照らされた長門は、満面の笑みを浮かべているような気がした。あぁ、そうか。こいつはちょっと感情表現が下手なだけの普通の女の子なんだ。思わず笑いが漏れてしまったが気にしない。
「また誘うわ。今度は普通に。」
と笑いながら言う俺に長門は
「また誘われる。今度は普通に」
だと。楽しそうだ。無表情だけど。いつか思い切り笑わせてやる。楽しみにしてろよ。
「うん、楽しみにしてる」 完

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あきゅろす。
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