■ケーキ作り二日目。 一日目の昨日とは打って変わってカセンのチョコケーキ作りは順調だった。 「あとはちゃんとサイズを考えて二段ケーキが潰れない様に作らないとですね」 笹目も蘭姫もまだ自分のプレゼントはそっちのけでカセンのソレに手伝っていた。 「・・・大丈夫よ!あたしの愛はこんなもんじゃないんだから・・!」 なんだか物凄いセリフを平然と言っているのだが大丈夫かこの子はとか思いつつ(ヲイ スポンジの方は順調に出来上がった。 「あとは上から飾るチョコクリームと仕上げですね。」 「どんなデザインにするか考えてるの?カセンさん?」 笹目と蘭姫がそういうとカセンは顔を真っ赤にして「は・・・ハート・・・大きなハートのチョコを乗せるの・・//!」 とそういい始めた。 「ハート・・・・・」 「・・・・・・・材料が足りないかも・・・・・・・・」 笹目も蘭姫もそこで止まってしまった。 実は当初の段階でかなり材料は買い込んでいたのだが何度も失敗を繰り返したため少々材料が足りなくなっていたのだ。 「買出しに行きましょうか。カセンさん。」 「じゃ;ぁその間に私の方、オーブン借りるね。」 と蘭姫がそう言った。 流石に中学生一人を部屋に置いてオーブンを使わせるのも心配だったが二人は蘭姫だったら大丈夫だろうという事で手早く買い物に行く事にした。 ---- 「ハートのチョコも型を作って一から手作りするんですか?」 買い物途中笹目がカセンに聞く。 「そうですね。できればそうしたいけれどももう型紙の材料も足りなくなってきてるから・・・・・」 ソレも買いに行かなきゃ。というところでカセンが足を止めた。 「出来れば御礼に”あの子”のチョコ・・・・・”うちの校長”に渡したいの・・・」 カセンの言葉に笹目ははっとした。 気丈に振舞ってはいるものの蘭姫は担任の想い人を失ってまだ数日しか立っていない。 その言葉に笹目は 「そうですね。出来ればぜひともそうしたいですね」とカセンに返した。 ケーキ作りは順調の予感。 後は当日を待つのみである。 ■END■ [*前へ][次へ#] [戻る] |