■メイがメイド喫茶に入っていってしまったので神風鳳太は荷物を持って近くのファミレスで待つことにした。 流石に笹目に振られたたショックで女性に飢えている・・・・・というわけではないがカトリック科の自分がソコに入るのにはプライドが許さなかった。 というか女性だらけのその場所に入って自分がまともで居られる自信が無かったのである。 「はぁ・・・・俺も・・・・・・・・」 ”彼女欲しいナァ・・・・・・・・” ポツリと吐いたそのセリフ。だが突然となりから「だよねぇ」と返答が帰ってきた。 一瞬メイが戻ってきたのかと思ったが男性的な野太い声だったので驚いた。 と同時に隣に目をやると黒髪のぼさぼさした頭の男性が隣に座っていた。 「だ・・・誰だお前は!!!!!!」 流石にファミレスの中。最初の”だ”は大きくなったが声のボリュームを下げて言うと。 「あ。俺3年の八代真司郎。・・・・あんた。カトリック科の神風くんだろ?」 と自分の飲みかけのコーヒーを持ってやってきた男はへらへらとして話しかけてきた。 「誰だお前は!」 二度目のセリフ 「もう名乗ったよ。・・・・・・・君のことは一般科の方でも有名だからね。赤毛ですぐに分かったよ」 特に君のことは・・・・・・・”雉鷹から聞いてるからね” とは言わなかったが。ましろはばんばんと鳳太の背中を叩いてきた。 「〜〜〜〜〜」 その独特のノリにどうしたらいいか分からなくなった鳳太だったが。仕方なく隣に座る彼を受け入れる事にした。 「で。何の用だよ!」少々嫌味がちにそういうと 「君。幸薄そうだからコレあげる。」 と彼は”ご縁”と書かれたチョコを渡してきた。 「どうせバレンタイン君ももらえない側だろ?・・・・・だから俺からのプレゼント!」 そう言って去って行った彼に「大きなお世話だ・・・・!!!!!!!」と言い返したが一応チョコは開けてみる事にした。 中には5円玉の形をしたチョコが入っていた。 「何だコレ・・・・・・」鳳太は不思議に思ったがとりあえずソレを頂いた。 後に・・・・・・・・・・・・「ここの店内は飲食物の持ち込み禁止です」と店員に怒られるのであった。 ----- 「何度やってもスポンジが膨らまない・・・・・」 何度目かの失敗・・・・・・カセンの心は折れそうになっていた。 二段ケーキを作る・・・・一日目は失敗作の連続で沢山のソレが出来上がった。 ソレを蘭姫は夕飯に頂くねー・・・と笑顔で返しながらカセンを励ますのである。 「何でだろう、愛が足りないのかな・・・・・・」 そういうカセンに「そんな事無いですよ。・・・・今日はもうこの辺にしてまた明日頑張りましょう」 と笹目も励ますのであった。 と、「カセンさん多分ココはこうするんだよ!」 見かねた蘭姫が教えに入る。 「あとはちゃんと気持ちをこめて作ればケーキはきっと膨らむよ」 天使のような微笑に潤いを取り戻したカセンはたまらず蘭姫を抱きしめた! 「子供・・・うちの子にする・・・・!!!!」 物凄い爆弾発言だったがどこかのだれかと発想がそっくりであった。 「・・・・・っくし!!!」 「アラ、鳳太様風邪ですか?」 メイド喫茶から帰ってきたメイが鳳太の元に戻る。 そんな土曜日の出来事であった。 ■END■ [*前へ][次へ#] [戻る] |