■2月11日土曜日。 メイは鳳太を連れてバレンタインの買出しに行く事にした。 「何で俺が・・・・・!」とふてくされる鳳太にメイは 「鳳太様は笹目さまにはお買いにならないのですか?」 と聞くと 「笹目和美・・・・・・・・! ・・・・・・・・・。」 目を逸らして指をくわえてしまった。 はぁとため息をつきながら仕方なくメイが「諦めたんですか?」 と聞くと彼はぷるぷると泣きながら「諦めました・・・・・」 と小さな声でそう言った。 そのあまりの惨めさにメイはついたまらず 「鳳太様。買い物の付き合いが終わったらドッグフード買ってあげますね」 とついこぼすと 「俺は犬じゃネェ!!!!!!!!!!!」と大声で帰ってきた。 ----- 「で。カセンさん。ケーキが出来上がったらどうやってプレゼントするんですか?」 笹目がそう聞くとカセンはノープランだったのか目が点になってしまった。 そして「どうしよう・・・あたし・・・・2段ケーキ作る予定だったのに・・・・」 と頭を抱える始末。 2段ケーキを作るつもりだったのか・・・・と笹目は思いながら自分も雪鷹にどうやってプレゼントを渡すかで迷っていた。 作っても彼女同様に他の人からのプレゼントに敵わないかもしれない。何分彼は学校関係者。 蘭姫達と同じ中学生といえど純粋に好きでプレゼントを渡す子も居るだろう。 流石にソレは断ってくれると思うが笹目はソレに関しては自信が無かった。 「蘭姫ちゃんはどうするの?」 そう言って話題を変える笹目に蘭姫は「んー・・・学校が持ち込み禁止だから多分放課後に友達の家を回る事になるかなー・・・・」とそういった。ちなみにブラウニーは家族用。クッキーが友達用だという。 そしてその家族。怖いお兄さんとシスコンの弟はカセンに追い出され部屋を出ていった。なんだかんだで面倒見のいいダイナが弟を遊園地や水族館にでも連れて行ったのであろう。 そして。 「そうよ・・・!!!!!持っていけないならこっちから呼び出せばいいのよ・・・・!!!!!!!」 と何かを思いついたように言うカセンについ 「部屋にですか?」 と言ってしまった笹目。 その後何を意識したのかカセンは真っ赤になってフリーズしてしまった。 流石にソレは恥ずかしかったのであろう。クリスマスの出来事もあり二人きりになるのは少々避けていたカセンである。流石に部屋に呼び込んでケーキを差し出したらどうなるかわからない。 「さ・・・・笹目先輩・・・・・・流石に・・・それは恥ずかしいです・・・・//」 その意図は笹目には伝わっていなかったか笹目もどうするべきか悩んでいた。 それでも・・・・・・・・部長にもチョコを渡すと行った手前作ることだけはすることにした。 それじゃぁ私は・・・・・ 「チョコチップクッキーでも作ろうかな・・・・・」 半分はカセンのケーキの手伝いに時間を割こうと思ったのである。 流石に二段のチョコケーキ。もしかすると彼女の腕前次第では一日で終わらないかもしれない。 というか三日前に作っておいて間で二段ケーキが重みで崩れたりしないか不安な部分もあったが そこはフィクションなのでどうにでもなるだろうと作者は考えていた。 ■NEXT■ [*前へ][次へ#] [戻る] |