☆ササメモリアル☆
■笹目とカセンA(学パロ)■

■笹目とカセンが本屋に向かうとそこには佐伯雉鷹の姿があった。
「あ・・・部長・・・・!」もう部活も引退して部長ではなくなった彼に笹目が近づいていく。

すると雉鷹はあからさまに何かに驚くように後ずさるとすすすと本棚の陰に隠れてしまった。
「部長。どうしたんですか?」

「笹目・・・聞かないでくれ・・・・・!!!!!!」
そういいながら様子のおかしい雉鷹に笹目が手を差し伸べようとするとソレより先にカセンがその襟元を掴んだ。

「あんた。笹目先輩になんか後ろめたい事でもあるわけ・・・・!???」
そう言ってガンを飛ばすカセンに年下の。背が低いながらの妙な迫力に押し負けたのか雉鷹は口を開いた。

「笹目・・・・・・・兄は・・・雪鷹兄さんは・・元気にしてるか?」
実のところは毎晩携帯で連絡が入っているのだが学科が違う都合上中々笹目と会うこともなくずっと言えずに居たもどかしい思いがある。

「あ・・はい。雪鷹さんは・・・・・」
続ける笹目に「俺はお前の事は姉だとは思って無いからな///!!!!!!!!」雉鷹が恥ずかしそうに声を荒立てた。

とたんに本屋中の客の目が彼らに集まった。そして少々嫌々そうに店員が近づいてくる。
と。そこにカセンが「あ。この本欲しいんですけどレジに戻ってもらえます?」と本をどさりと預け渡す。
そして「姉って何よ・・・!!!」と質問攻めが始まった。

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舞台は近くの公園に移る。
ほんの袋の抱えたカセンが睨みを利かせながら雉鷹をベンチに座らせる。
そして「さっきの話なんだけど・・・・・・・」と怒りをあらわに話しかけてきた。

「いや・・・だからそういったことの次第で・・・・俺は・・・笹目の弟になるのかもしれないが・・・・・・・・あぁ・・・・・・」
どうやら彼も思春期の青年。頭を抱えてそのことに悩んでいたようである。
「何よ何よ何よ!!!!!あんた笹目先輩のような素敵な人が姉になって嬉しいと思わないの!!!!」

カセンは自分が姉に欲しいと思う始末の人間である周りも皆そんなものだと思っていたのだが。

「俺は・・・・」一度は笹目を好きになった身。今はなんとも思っては居ないのだが流石にそれが衝撃がでかすぎたようだ。事実上は雉鷹は雪鷹の弟ではないのだがソレを隠しているうちはそういうことになる。

雉鷹はソレも踏まえて今のこの状況をどうするべきかで頭がいっぱいになっていたのだがそこに笹目が口を開いた。
「あの・・ところで、あの人の。雪鷹さんの好みってどんなものですか?」

大体の好みは分かる音楽と芸能が好き。だがシノさんの夕飯を美味しく食べてくれるさまは分かっていても食の好みが良く分からない。いつも作ってくれる弁当にしても栄養バランスを考えたもので味も見た目も抜群なのだが甘いもの。特にチョコレートのようなものに対してどういった志向を持っているかについては予測不能だった。

ソレに対して雉鷹は意図を分かっていなかったのか好みの音楽のジャンルや好きなアーティスト。小説や趣味について話したのだがカセンに締め上げられた。

「分かってないわね!!!あんた!!チョコよ・・・チョコの話よ・・・・!!!」
そういったカセンに雉鷹は一瞬目を見開いた。

「あ・・あぁ・・チョコか・・・・・・・」

そう言って彼はひっそりと話し始めた・・・・
「俺もそうだがうちの家系は学校や会社。仕事先の異性からかなりの量を毎年もらうぞ・・・・」

それは雉鷹にも雪鷹にも当てはまる事である。
「そ・・・・・そうなんですか・・・・・」

どうしよう・・・・・それじゃぁチョコを渡すのはやめたほうがいいのだろうか。
笹目がそう思って迷い始めたところでカセンが笹目の手を握ってきた。

「笹目先輩・・・行きましょう・・・・!!!!」そう言って大きな瞳がコチラを覗き込んでくる。

「言ってても無駄ですよ!!!私も始めてのバレンタインだけれども絶対上手く行かせるんだから!!!!!!だから笹目先輩も悩まないで一緒に作ろう・・!!!!」

そういわれたのだが笹目は悩まずには居られなかった・・・・バレンタイン。自分は雪鷹に何をしてやればいいのだろう。

でも
「そうね。部長や鳳太くん。メイちゃん達に配るチョコも作らなきゃいけないからね。」

そう言って笹目は「後で部長にもチョコを送りますね」
と礼をしてその場を後にした。


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暫くして開放された雉鷹が迫力負けして抜けた腰を上げその場を後にしようとすると

「見てたぞー・・・きじたっちゃーん・・・・・・!!!」
どこからか薄ら寒い声がした。

「!?????」その悪寒に雉鷹が後ろを向くといきなり耳に冷たい手を当てられた・・・。

「・・・・・・!ましろ・・・!!!」

「ずるいなー・・・!!!きじたっちゃん俺本屋で出てくるの待ってたのに1人で女子二人に囲まれてこんなとこまでくるんだもん」

正確には女子二人に囲まれてではなく女子の1人に脅されてなのだが。


「で・・・もしかしてさっきの子達。片方は例の笹目ちゃんかい!???」

笹目の話題は一部校内で広まった。在学入籍を果たした元演劇部の女性部員。

しかもその相手は。

「いーなー雪鷹さん。いつの間に笹目ちゃんと仲良くなったんだろー・・・・・・・」
そういいながらましろはポケットに入れていた缶コーヒーを取り出した。

「ましろ・・・なら俺と立場を代わってみるか・・・?」


雉鷹がそういうとましろは「絶対やだ!!!」と返して歩き初めて行ってしまった。

「オイ待て・・・!」雉鷹が追いかけようとする。
「参考書は買えたのか?」

その言葉にましろはにっと笑顔で返すのだった

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