☆ササメモリアル☆
■憂鬱/笹目A■

■学校が始まって数週間。カトリック科の神風鳳太は笹目和美を探していた。
最初の数日はやはり学期初めのテストの点数と目立つ赤毛で生徒指導に捕まっていたのだが。
それもなんとかふりきってやっと自由な時間が取れるようになった。

冬休み中。進路の事を父親似告げられた。できれば日本に残りたかったが父親の手伝いをすることになるらしい。その前に笹目和美にもう一度気持ちを確認してできれば応援できる体制をとりたい・・・・・・・そう思っていたが・・・・・・・・・・・・・

その数日前のことである、メイが突然卒業したらメイド喫茶で本格的に働きたいと言い出したのは。
これには驚いた。実際自宅でメイドをしていたメイがまさかの喫茶働きとは。
もともとその毛はあったのだが主の意志を振り切ってこちらで働きたいと行ったのには本当に驚いた。

卒業したら一緒についてくるものだと思っていたがそれはそれでコチラに残って笹目和美の事や仲良くなったその他の人間とのつながりを保つためにも必要なことかもしれない。
神風鳳太は大事な従者の欠員に少々寂しさを感じていたがそう思っていた。

卒業まで数ヶ月最後の学期がやってきたのだが笹目和美が見つからない。
”演劇部”での3年の活動が終わってしまったのだから尚更どこにいるのかが分からない。

いつもの公園やもちろん教室は覗いてみるが出会うことも無く数日が立ち・・・・嫌な気持ちを抑えながらも元部長に聞いてみようかとも思ったが・・・・・・・・奴は奴で何かに没頭している最中のようだったので話しかける気にはならなかった。そんな中のことである。

「笹目さまなら暫く学校をお休みのようですよ。」
昼休み。久しぶりにメイと一緒に食事を取ろうと思ったらそう言われた。

「・・・・・・お前・・・・!!!!!なんでそんな大事な事さらっと今更言うんだよ・・・!!!!!!」


これには物凄く驚いた。あの笹目和美が学校に来ていないとは。
文化祭でのミスコンは別の人物が優勝したが自分の中での一生のミス・・・・もとい笹目和美が学校に来ていないとは・・・・・・・・・・・優等生のイメージがあった神風鳳太は物凄く驚いた。

「学校に来ていないって・・・どういうことだ・・・・!!!!!!」

ノロにインフルそれから病欠云々が真っ先に浮かんだ。まさか不治の病にかかったんじゃ・・・・・・・・そんなイメージが勝手に走りかける中メイはあっさりと言葉を返した。

「多分・・・笹目様は学校に居る意味が無くなってしまったんじゃないですかね。」


「は・・・・・・?」
その意味を鳳太は理解が出来なかった。”意味が無くなる?”自分にとって学校は”楽しい場所”であり”笹目和美に会える場所”彼も彼で意味がおかしいところなのだが学業の方も何とかちゃんとやっている。自尊心の強い彼はカトリック科としての本業には誇りを高く持っている。そこだけはしっかりしているつもりなのだが、”意味が無くなる”という意味を理解できなかった。

「どういう意味だ・・・・メイ・・・・・?」

そう言った神風鳳太に猫忍メイは「今は何を話しても無理そうな気がしますけどね・・・」

さらりとそういった。できれば一緒にメイド喫茶で働いてみないかと誘ってはみたいのだが・・・・・・・・・

「笹目様は夢と現実の間にゆらいでいるのだと思います・・・・・・」

メイはそれだけ言って去って行った。

そして舞台は雉鷹たちの話に移る。

■NEXT■

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あきゅろす。
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