■部活が終わって数週間・・・・・・・・・冬休みが終わって暫く笹目和美は学校に行けずにいた。 楽しみにしていた部活が終わってしまい何のために学校に行くのかが分からなくなってしまったのだ。 進路としてはこのまま演劇を続けたい。どこかの劇団に入れれば幸いなのだがそのために学校へ行く意味があるのかについて分からなくなってしまったのだ。 進路が決まったのならそのままその方向に行ってしまいたい。 しかし笹目はそのプロの世界をよくは知らない。知らないが故にどうしていいのか分からずに宿題の手も止まり終わらないまま始業式を迎えそのまま学校に行けずにいたのだ。 祖母のシノはそんな笹目を心配していたが何かを言って無理をさせるのも彼女のためにはならないだろうとそのまま暫く様子を見る事にした。と言っても笹目の両親には連絡することも無くいつものように畑仕事に出て行くのであるが。 「はぁ・・・・・」笹目はベッドの上でため息をつきながら迷っていた。 学校には行きたい。けれどもなんのために行けばいいのかが分からない。 毎日夜になると学校側から電話がかかってくるその都度自分という仮面を被る事に少しの喜びを感じてしまう。”演技”することが楽しいのだ。けれどもなんのためにそれをしてまで学校に行くのかが分からなくなってしまった。 会おうと思えば鳳太くんやメイちゃんには会えると思う。けれども部長には迷惑をかけたくないので連絡をする気はない。もしかすると何かあちら側で言われているかもしれないが・・・・・・ それでも学科が違うので部活の終わった今会うことはもう滅多に無いだろう。 そんな中笹目が考えていたのは”彼”のことだった”自分と同じ”なのだろうか・・・暫く学校を休んでいたらしい事は人づてに聞いた気がする。 ”友達”でいようと言われてそうなんだ・・と思ったが特に連絡先も知らないまま。なんとなくそのまま日が過ぎてしまい・・・・・そんな中でまたそれをずるずる引きずってしまったような気がするソレ。 「---くんは・・・今どうしてるかな。」 そんな事を思いながら笹目が布団に転がってごろごろとしていた。 そういえば・・・・・・・・ 「-----さんは・・・・・・・生島さんのファンだったなぁ・・・・」 次に思い立ったのはまた別の男性の事。自分が憧れているであろうその男性。 文化祭にて部長と共にその”彼女”に祝福をされて憧れを感じた。 話をしたのはその一度だけだったが・・・・・・・・その彼女ともお話をしてみたい。 部長は普段どんな会話を彼女達としているのだろう・・・そういえば居なくなってしまった同じ部の”お友達”も同じカトリック科だった。 もんもんと色んな生徒や人物の顔や名前が浮かぶ。 本当のことを言えば寂しいのである。部活が終わってしまってどうすればいいのか分からないのだ。 単純に構って欲しいだけかもしれないけれども自分は演技をしてしまう。 それを部活で解消していた・・・・・そんな気がしなくも無いが。どうしたらいいか分からない。 何故か気づくと涙が出ていた・・・・笹目は布団に転がってそのまま涙を流していた。 泣いてしまえば忘れられるかもしれない・・・・・・・このまま・・・もう少ししたら。 でも。何のために学校に向かえばいいのだろう。あと少しのその期限も結局は行ったところで数ヶ月で終わる。卒業については出席日数が足りているだろう。留年する事はない。 ただ・・・・・・・・・ 自分は・・・・どうすればいいのだろう。 悩みを抱えたその少女はそのままベッドで眠ってしまった。 自分は・・・・何のために生きているのだろう・・・・・・・。 ■NEXT■ [*前へ][次へ#] [戻る] |