■「カセン・・・・その・・悪いんだけど・・・・・・・・俺のファーストの時の出来事は知ってるだろう・・・・・・・・///?」 だから・・・・その・・・キスくらい・・・・・ ”ちゃんとして欲しいんだけど・・・・・・・・” ------- 遡ること数時間前。 カセンたちはあるブランドショップで服を買い漁っていた。 「なるほど。ではカセンさんは文化祭でそのような格好をなされていたのですね。」 ミスコンの話を興味深く聞くメイ。 「ではこうしましょう。告白時の衣装はその時の”イメージ”を再現したものにしてみてはどうでしょう・・・?」 「え・・・?!」 驚くカセンにメイは言った「その戒という男性は察するにきっと独占欲が強い男性だと思います。」 いきなりそう言われてもぴんと来ない。だが。 「守護意識の強い男性ほど自分のテリトリーが壊れるのを嫌がります。・・・・・・・・その麗姫という女性を大事にしているという面から私にはそう見て取れました。」 「・・・・・・・そう言われても・・・」 麗姫の名前が出てきて顔を曇らせるカセン。”付き合ってない”・・・・・・だろうとは思うがあの二人の仲の良さは異常である。 「カセンさんもまた・・・・・その麗姫さんから彼を奪いたいのですよね。」 メイの返答に暫しの沈黙の後「うん・・」とカセンは頷いた。 「ならばその意識が最も強かった”ミスコン”でのその”イメージ”が今回の勝負服として最も適してると思われます。」 「・・・・・”勝負服”って・・・・・////」 何を察したのか頬を染める鳳太。 「・・・・・鳳太さまもウブですからね・・・・・・・・・・女性用の衣装ショップに入って肩身が狭い気持ちも分かりますが・・・・変な方向に妄想を走らせるのもどうかと思いますが・・・・」 呆れるメイに主人は言った 「う・・・うるさい・・・///!!!!!」 完全に従者に負けている・・・・・・。 そんな中で笹目もキラキラした綺麗な服たちに目を奪われてた・・・・・・。 早乙女戒。・・・戒さんと言えば自分のファーストキスの相手である。 ・・・・・あれは完全な事故ではあったがその彼と彼女がくっつ事がなんだか自分のことのようでドキドキしていた。そんな中で綺麗に輝く服たちを見て自分もまた妄想が広がる・・・・・。 「めーちゃんすっごく綺麗だね。」 「へ・・・・?」 一緒についてきた蘭姫の言葉で我に返る笹目。 「めーちゃんも・・・・やっぱりこういうキラキラした高い衣装が好きなんだ?」 堅実なおかん肌の中学生。蘭姫にはまだそういった感覚が無いのかあまり興味が無いらしいが。 それでも従兄妹の戒と大好きなお隣さんがくっつくことには賛成していた。 麗姫のことは一緒に旅行に行ったこともあるがよくは分からないどちらかといえば兄のダイナと仲良くしていた印象が深い。 学校での彼らの仲の良さを知らない蘭姫には良く分からない世界であったがキラキラとした衣装に見惚れる笹目の姿に蘭姫もまた心を奪われた。 「やっぱり。大人になったらこういう服が自然と似合ったりするんだよね・・・・・多分・・・・///」 よくは分からないは彼女もまた誰かの事を思って頬を染めながら話しているようだ。 「よし。決めました・・・・”衣装”はコレで決めましょう・・・・」 で・・・プレゼントですが・・・・・・・・。 ”財布役”に衣装を渡して次の品へと目を向けるメイの声をさえぎってカセンは言った。 「ぷ・・・・プレゼントくらい自分で決めるわよ///!!!」 物凄く頬を赤らめながら大声で言い放ったカセンのその可愛らしい姿をメイはすかさず携帯に納めた。 ・・・・・どうやら彼女のお気に入りリストの女性にカセンも追加されたようである。 「さ・・・・笹目・・・和美・・//!」 「え・・・・?」 鳳太の声に振り返る笹目。 「俺からのプレゼントは・・・また後日渡すから・・・・///」 そう言って頬を染める彼に笹目も”二人”にお礼のプレゼントを渡さなきゃと思うのだった。 後日笹目から手作りクッキーが二人に渡されたのはまた別の話である。 ------- 時刻は夕刻。真っ暗になった空の下でイルミネーションがライトアップされる。それはいつもの公園にも設置されていてキラキラと光っていた。 そこにプレゼントを買い込んで帰ってきたダイナ。それから付き添いの戒。 それと呼ばれなくてもやってきた麗姫がやってきた。 「おかえりー・・・・あ!麗姫さん・・・・・!!!!」 驚く蘭姫だが。パーティ用に食事は大量に作っていた。 笹目もカセンも参加して大人数でのクリスマスパーティになった。 鳳太は門限があるとメイに連れられ寮に戻って行かされたが”仕事”だけはこなして行った。 「お・・・・・麗姫。カセン・・・・気合入ってんじゃねーか・・・・・」 ダイナの声に少々眉がひくついた。 衣装に着替えてメイクアップしたカセンと同様に麗姫もそれなりの化粧で現れたのだ。 「・・・・・今日は神聖な聖夜ですから。綺麗な月の光の下雪にもイルミネーションにも負けない程度の衣装にしてきましたの」 ホホホと扇子を広げる麗姫に控えめに答えながらにもしっかえいソレを着こなしている。 「俺も戒も両手に花とは嬉しいこったな。」 そう言って蘭姫とカセンを抱きかかえようとするダイナ。 カセンのグーが飛びそうになったがその前に笹目が抑える。 「落ち着いて。カセンさん・・・せっかくのパーティなんですから。楽しく行きましょう・・・・・・」 そう言ってパーティが始まった・・・・・・・・後の出来事である。 ダイナは笹目と麗姫を自宅に送るため車の準備に下の階へと降りて行った。 と。そこにカセンが「私先に帰る・・・・・///!!!」業を煮やしたのかついにプツリといったらしい。 「待って・・カセンさん・・・!!!!」 止めようとする笹目を制したのは戒であった。 「送ってく・・・・・」 そう言ってカセンに自分の上着を着せる戒。 送っていくと言っても壁を挟んだ隣の部屋なのだが・・・・・・・ どこか神妙な顔つきの戒にその場の全員が固まった。 「行ってらっしゃいませ。戒。」 嬉しそうに手を振る麗姫がそのまま二人を見送った・・・・・・・。 ------ そして今に至る。 ■NEXT■ [*前へ][次へ#] [戻る] |