■「ジジたっちゃーん・・・・!」 「ジジとはなんだ。真司郎。・・・・俺は爺か何かなのか。」 「いや、魔女宅のジジ・・・・」 「俺はラピュタ派だ!!!!!!」 雉鷹のそんな突込みが入る中、マシロと雉鷹は街を歩いていた。進学科のマシロの参考書を買いに行くついでに雉鷹も一緒に本を買いに行く予定だった。 流石にクリスマス・・・・家に1人もなんだろうと二人で出てきたのはいいが周りはカップルやら仮装やら色々な人間が右往左往していて少々歩くのに困る。 そんな中で少々休憩でもとろうかとどこかいい店は無いかと探していた折に彼らを見つけた・・・ 「あれは・・・・・」 「ジジたっちゃんの知り合い・・・・?」 マシロが不思議そうに雉鷹と同じ方向に目を向ける。 「いや・・なんでも無い。」 雉鷹はそう言って目線そそらすとまた人ごみの中へと入って行った。 「なぁ・・・・兄貴ー・・・・・本当にこんなにたくさん買う必要あんのかよ・・・・」 大荷物を抱えながら”兄貴”と呼ぶその男を追いかける早乙女戒。 「・・・・あぁ・・・・・・・蘭姫とチビに加えて今年は色々配りたい奴がいるからな。」 そう言ってプレゼント探しに店を探して歩いているのは蘭姫の保護者役の早乙女ダイナ。 雉鷹が人ごみで見つけたのはこの二人であったが特に話しかけても意味無いだろうとそのまま去って行ったのである。 そして戒とダイナは買い物中。女性陣。主に蘭姫とカセン。麗姫他その他への買い物の途中であった。 「ところで戒。・・・お前は今年も麗姫の奴にプレゼントを買っていくのか?」 戒は毎年幼馴染の麗姫と二人でプレゼント交換をしている。 子供の頃からの付き合いなので本人達はなんとも思ってはいないが流石に高3にもなってソレはどうなんだろうか・・作者がそんなことを思いながらも 「あぁ。今年は麗姫とオーケストラの演奏を見に行く予定なんだ・・!」 とチケットを買ったことを話し出す。 と。ソコへ。 「”カセン”の方にはどうするんだ・・・・・?」 と一声かける。 「え・・・・・・!??」 歩いていた戒の足踏みが止まった 「え・・・えっと・・それは・・・・・////」 そのままプレゼントを落としそうになったがそのままそれはなんとか堪えた。 正直文化祭のミスコンでの衣装姿を見てからまともに会話を交わしていない気がする。 あまりにも綺麗だったので他の奴に安く扱われたくなかった。 不正と分かりながら一部の票の操作をしたのは彼女達には黙っていたが・・・・・・ カセンがミスコンで麗姫に負けたのにはそのあたりの事情もあった。 後夜祭でカセンが見た戒と麗姫の光景はそんな戒を悪いことだと思いながらも純情なその反面を麗姫が愛しく思い会話をしていた。そんな裏事情のある光景であったのだが・・・・ 「・・・・買ったのか。戒?」 「・・・あ・・・えっと・・・それは・・・・・」 流石にこの人には言えない。・・・行ったらソッコーでバラされる・・・・・ 戒は少々青ざめながらもポケットに入れた小さな紙袋へと目線をやった。 「ほう・・・そうか・・・そこにプレゼントがあるんだな・・・・・・・・」 ダイナはソレを見逃さなかった。 「あ・・いや・・・・//」 戒はすぐに目線を逸らしたが。にやにやとするダイナの顔を見て更に青ざめた。 「・・・・・・・・・絶対バラすなよ・・・・・・兄貴・・・・」 ソコには彼女に対する純情が詰まった小さな髪飾りの結晶が入っていた。 ■NEXT■ [*前へ][次へ#] [戻る] |