■「・・・じゃぁとりあえずこんな感じでまとめてみましょうか。」 最後に黒のリボンで後ろに飾りを付けてみた。 結局最後は笹目とおそろいである。 黒いリボンは麗姫その人ともおそろいであるのだが・・・・ 「お・・でもかなり可愛くなったじゃねーか・・・・・・・」 オモチャ遊びに飽きたのかダイナがそう言って寄って来た。 「元が可愛いんだからカセンさんは可愛いんだよ!!!」 そういって蘭姫がカセンに抱きつく。 「そうですよ。笹目先輩がやってくれたんだからこうなるのは当然です!!!」 自分で何を言っているのか分かっているのかいないのかカセンがそう言って笹目に抱きつく。 「・・・・いーなー・・・・女同士はよう。ハグだのなんだの簡単にできてよー・・・・・」 ダイナがそう呟いた。 怖いお兄さんもなんだかんだで男性同士でべったりしていることも多い気がするが・・・・・ 誰かがどこかで突っ込みたくなったがそれは黙る事にした。 「ごめんなさいね。私にはこの程度の発想しか浮かばなくて・・・・」 そう言って笹目がカセンをぽんぽんと叩く。 正直なんだかライバルの麗姫に似ているような気もするが・・・・それでもこれが一番しっくりきたらしい。 「じゃぁ私は今日はこの辺で失礼しますね。」 「おう。気を付けて帰れよー・・・・・・・?」 笹目がそう言って帰り支度をすると真っ先にダイナがそう言った。 なんだかんだできゃっきゃしていた女性二人はまだその時間が名残惜しいようである。 「めーちゃん・・・・一緒にご飯食べていかない?」 蘭姫がそういったら笹目はソレを断った。 「ごめんなさい。せっかくの休日ですもの。犬のテツとお婆様との時間も大切にしたいから・・・・」 ソレは本心から出た言葉。なんだかここにいるといろんなものが大切に感じるという思いを改めて思いだせる。 そんな空間の余韻に浸りながら笹目は自分の世界に戻る事にした。 「それじゃぁカセンさん頑張ってくださいね。学祭・・・私も見に行きます。」 そう言って笹目はカセンの額に口付けた。 「おー・・・・・・・・」茶化すダイナと「いーなー・・・・・」と指を咥えるその弟。 「・・・・ダイナさんと乱鬼くんには蘭姫ちゃんがいるじゃないですか」 そう言って笹目はにこっと笑うとそのまま蘭姫宅を後にした。 「最後にやっとちゃんと笑ったな・・・・・・・」 その笑顔のそれに気づいたのはダイナだけである。 なんだかんだで彼女は終始笑顔を見せていたがまだそれにはぎこちない演者のそれがあったような気がする。 「めーちゃんも今日はゆっくり休んでね・・・・・」蘭姫が手を振って見送りをする。 カセンは外に出るのを少し恥ずかしそうにしながら鏡とにらめっこをしては微笑を繰り返す。 そんな暖かな空間から笹目はまた自宅に戻る。 ・・・・・・・・・・・・そんな暖かな関係を大好きな人達とまた築く事ができたら。 そんな思いを胸に秘め笹目は家路に着くのであった。 ■END■ [*前へ][次へ#] [戻る] |