☆ササメモリアル☆
■放課後見聞録■

■ジャージに着替えて部活の時間。今日は部室で小道具とセット作りの時間のようだ。
その頃には”他校の一年生”からのメールも返ってきていて。
笹目は少し安心した。

自分のこれはわがままかもしれない。けれどもそれができる恵まれた環境に自分はいるんだと笹目は再確認して部活に挑む。

もちろんそこには部長もリリちゃんも傍に居る。

けれども・・・・・その後の行動は笹目一人の仕事である。

更衣室のロッカーに手紙を置いて着替えて出てくると部室の床は色付いたセットや小道具がいっぱいになっていた。

まるでちょっとした学祭前の光景である。
二ヶ月に一度の公演会。今はソレに向けてのラストスパートの時間なのだ。

笹目もソレに混ざって作業にかかる。今日はホールが使えないので部活時間はいつもより短い。

と。そこから窓の外に池が見えた。
不意に思い出す真剣な”彼”の姿。
なにかひらひらとしたものを追いかけて池に落ちソレを拾う姿。

池に落ちた瞬間を見てしまい。本当に今まで見たこと無い渋川くんのそれを”目撃して”驚いたその時の出来事。アレから彼は少し変ったような気がする・・・

そして器材室では東雲千秋くんに出会った。それから加藤ミツルくん・・・・・
祖母と仲良くする佐々木くん。

笹目は笹目なりにいろんな人と出会ってその中で”部長”を好きになった。けれどもそれはもう過去のもので今は平然と部長とも会話できる。以前はそれすら上手くできずに演技にもソレが出ていた。

でもそれは今はのびのびと出来るようになり逆にそれで幸せなんじゃないかという高揚感もある。

では”歩くん”はどうなのだろう・・・・笹目は改めてソレを考える。歩くんの事は好きだ。
好きだと思う。本当にいい関係が築けたらソレは幸いに思う。

彼が笑って・・自分も笑って・・・でもそれは幸せなものなのだろうか。

いつかは彼にも好きな人が出来て自分のようにどこかに誰かを見つめる光が宿り始めるかもしれない。
その時の自分は彼のようにその時の告白を後押しさせてあげることができるのだろうか。

それは分からない・・けれどもそれは自分の役目では無いのかもしれない。

けれども歩くんは自分の背中を押してくれた。本当にありがたかっただから彼にあのお守りを渡したのだ。

彼の気持ちは分からない・・・けれども貴方を応援します。

本当に。大好きです。わがままかもしれないけれどもこの気持ちだけは変らない。
笹目はソレを再確認して部活に挑んだ・・・・・。



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