■「おはようございます笹目さま・・・!」 「笹目・・・和美っ・・・!!」 通学途中。笹目の前にいつもの風景といわんばかりの二人の姿が飛び込んできた。 「おはようございます。メイちゃん。鳳太くん」 と笹目は笑顔を向けるとカバンから菓子袋取り出して二人に渡す。 「有難うございます笹目さま。これは私からの気持ちです・・・・・・」 そう言ってメイはむぎゅりと笹目に抱きつくと手に持っていた自分の菓子を彼女のカバンに忍ばせた。 「有難う。メイちゃん・・・・・///」 ソレが何だか愛らしくて笹目は少し赤くなる。 「笹目さま・・・・?」 メイが不思議そうに顔を上げると「あ。」と言う聞きなれた声が聞こえて来た。 「部長・・・!!!ましろさん・・!!!」 最初に反応したのは笹目であった。 「あ、笹目ちゃん!おっはよー・・・・!!!」 と近づいてきたましろがメイの姿を発見する。 「!・・猫忍さん・・・!!!!今日はバレンタインだよ!先日の約束。覚えてるよね!!」 と近づくましろをよそにメイはカバンから菓子袋を取り出すと隣に居た雉鷹の前へと歩いていく。 「決めました。私・・・・・・・・・今後から本格的に貴方を狙おうと思います」 そして雉鷹の手にその袋を置いた。 「・・・・・そうか・・・・」 ぐぃっと少々自分より背の低いそれから上目遣いをされて困った雉鷹は目を伏せた。 「・・・え・・!?メイちゃん!??」 驚いたのは笹目である。実はこの事実を彼女は本日初めて知ったのである。 「ね・・・・猫忍さん・・・・?」 ましろが少々元気なさ気にそう返すと。 「貴方とはライバル関係になりますね。」 とそう返すと 「これは宣戦布告です」 と。ましろにも菓子袋を渡した。 が・・・ 「ナニコレ・・・猫忍さん・・・袋の真ん中から導火線のようなものが出てるよ・・・・」 ポカンと少々涙目になりつつあるましろに 「開けると爆発します。」 ポーカーフェイスのメイが言った。 と。そこに。メイの頭をくしゃりとなでて雉鷹が発言する。 「・・・・・・ましろは中々手ごわいぞ・・・・」 にやりと黒い笑みを浮かべるソレは半狂乱だった壊れた心の上に高い壁を作っていた。 「・・・・・元に・・・・戻られたようですね。」 何だか元気を取り戻したようなそれに少し安堵を覚えたのかメイが恥ずかしそうに目をそらす。 だが頭に乗せられたその手は除けようとはしない。 「あぁ・・・・・・俺の”悪友”は手ごわいからな・・・・・・」 そう言ってポンポンと二回頭を小突いた後雉鷹は先の道へと歩いてく。 「”悪友ですか・・・”」 それはそれで・・・”萌えるんですよね・・・・・” 心のソコにある乙女心とも恋愛感情とも違うそれにまた火がつきそうだったメイをよそに笹目はずっと困惑してした「え!?メイちゃん・・・メイちゃん・・・!???」 次は笹目のライバルとして。雉鷹が現れるかもしれない。 「・・・・・・・」鳳太はなんとなく自分の居場所の無さに疎外感を感じながらそれをじっと見ているのであった。 ■END■ [*前へ][次へ#] [戻る] |