■「”神は、与えたももうた力を君に生かせと言って授けた”」 だが、”神”に”愛されすぎてしまった”君は”一つ2の不幸と”引き換え”に”二つの力を授かった” けれども”君には”今はまだ”その二つ”を生かしきれる”器は無い”。 変わりに”器”を持った”彼女に”君の受け取った”力を一つ”わけてはくれないか? ”そうすれば”この世界は”いや、”君たち”は二人とも”幸せに生きれることができる。 ”君たちは君たちのままでいいんだ” ”授かった”その”ギフト”を十分に発揮する。それだけでいい。 ”君の受け取ったその力”その”幸せ”の一つを分けてくれるかい? ■†THE UNLIMITED 萩原 カセン0+D†■ その”男”、否”かなり高齢の老人”と見える男性に出会ったのは”ユウギリ”が合衆国の”陸軍基地”から移送されて暫く。 ヒノミヤが”GPSおよび通信機器”の移植チップを”バベル”によって”回収”してもらった頃。 アランによって心を壊され新しい”思想”と”精神を与えられた”最終段階の時の出来事であった。 ”USEI”合衆国ESP捜査局に”籍”を置いて暫く、カセンは童顔に見える顔を赤のフレームの眼鏡で多い、それに合わせた真紅のルージュ。 肌もESPを抑制することによりそれにあった女性ものの上品なスーツに動きやすいスカートとブーツを着こなし、 中にはショートパンツと”USEI”仕様の銃を仕込んで”彼”の元につき指導を受けていた。 既に左薬指には銀に輝くESP抑制リング。それとは知らず首にもそれをつけた彼女は”幸せ”な指導生活を送っていた。 ”奥底では悲鳴のような”声が聞こえる”それでも・・・”彼の指示に従えば”私は幸せになれるんだ・・・・” どんどんとその”暗示”にかかっていく”彼女”その先では”早乙女”が手に入れた伊号の高度な演算能力とESP制御能力により、 その”押さえ込まれた”ESPが”彼女の身体に”負担をかけることなく吸収されて”無尽蔵の”エネルギー倉庫となり果てたユウギリの脳内へと 送られていく。”身に余る強大な能力”体にかかる負荷も無く”リミッター”をかけることなくその”強大な能力”を”外に出すこと”の できる彼女。”前々から”他エスパーによるESP移植実験は行っていた。”パンドラ”が”デッドロック”を破壊したのはその頃の出来事だった。 先に”兵部”の”移送”を確認し。”ヒノミヤ”をそこに忍ばせその”機会”を狙っていた。”伊8号”さえいればそれを”重厚”な機材を 使わずともスムーズに行い。”その能力”を”管理”支配することができる。そのために”伊8号”は必要だった。”実験台”を完全な”猟犬”に するために。 「そういえば・・・・・・”彼”は、我々が”USEI”にスカウトをした時にこんな事を言っていたね・・・・」 ”われわれはこの国の治安の維持を目的とするために・・・・” 「そのために”エスパー”を”猟犬”にするのかよ」 ”それは間違いでもないが。正しいとも言えない” 君たちエスパーは”神が与えたもうたその知能とそれを可能にするこれにより”管理される事”で”ギフト”その”贈り物”を”最大限”に 扱い”幸せ”になれることができる。”誰しも与えられた力を存分に使い英雄になりたいものだ”。それが汚い仕事でもたとえ”殺人”に なろうとも”英雄扱いされてしまえば”それは”善”といえるだろう。 「”私はどうしてもこの”予知”を食い止めたいのだよ”」 ”クイーン・オブ・カタストロフィ” 美しい。”女性”だ。”近い将来兵部は必ず彼女と我々ノーマルに”反旗”を翻すであろう。 それがあっては”困るのだよ”せかっく私がここまで”のし上がった”意味がなくなってしまう。 占領軍である合衆国と”共同”にかつ”内密に”美しくそして”恐ろしいままに”育てたその”生態兵器”それを操る鍵が今やっと また”手に入った・・・・・・”。 「え?”移動ですか?”」 「・・・あぁ。そろそろ”君”にも私の”主”に会ってもらうことになる・・・・。」 ”主”・・・・ということは”USEI”の創設者・・・”局長”の地位よりも確かに高い存在。 「”そんな人”に”私なんかがお目見えしてもいいんですか・・・・・・”」 なんだか凄くどきどきする”尚更”局長と同じ”リング”・・・・。あくまで仕事上は”アラン”はそれをしてはくれないが・・・・ ずっと首にかけて隠してもっていてくれている。それは知っている。 私も片手にはめた”仕掛けグローブ”でそれは隠しているが・・・・・ 「”挨拶”」なんだかうれしい言葉だ・・・それは”まるで”ずっとあこがれていた”幸せな何かのような・・・” それを感じさせる幸せなひと時。”本当に嬉しい・・・”こんなときくらい、ネクタイは黒にしてくれたらいいのにな。 そう思いながらも”カセン”はその後をついてヘリに乗って移動する。 「”大きい・・・”本当にとても大きな”自由の国”」 私がいた”ワンマン国家の小国”とは”まったく違う”意思も思想も違う世界で”愛しい人を育てた上司・・・” きっと”恩師”ともいえる存在なんだろう・・・・・。 ”素敵な・・・人だといいな・・・・”アランにその”思想意思を・・・・” 「”シソウイシ・・・・・?”」 一瞬何かが”フラッシュバック”しそうになった・・・・・ 「・・・・?」 「・・・どうかしたか?」アランが外の景色を見ながらそう聞いてきた 「・・・・なんでもない、少し疲れたみたい。」 空の旅って滅多にしたことないから「少し酔ったのかもしれない」 「風に当たりたいな・・・・」狭い密室は・・・なんだか・・・・・・ 「”ナンダカ・・・・・・?”」 何だろう。この”感じ”何かが”奥底”でざわざわと冷たく”悲鳴”を上げている。 でも”分からない”幸せだから”今は”愛しい人が傍にいて。それを守るのが私の”幸せ”・・・・・。 「・・・・!”姉さんの反応が消えた・・・!????”」 近くに潜伏して陸軍内部の様子を探ろうとしていた紅牙が”ソレ”に気づいた。 「”どうやら彼女もまた”この場所を離れたようね・・・・。”」 「・・・・!!?????”お前!????”」 その場に現れたのは”サニー” 「”大きなヘリが何機か飛んでいくのが見えたから中は割と手薄になってるんじゃないかと思って警備の穴を探ってみたの”」 そしたら”同じく”貴方もそこに潜んでいてね・・・・・。 改めて”移動先は不明だけど”彼女もここから消えたことを”司郎”達に知らせなきゃ・・・・ そういって彼女は持っていたメモに何かを書くとヒュっとテレポートでどこかに送った。 「・・・・”近くに仲間がいるのかよ”。」 「当たり前でしょ?・・・・いなきゃ”単身”でこんなところまできやしないわよ・・・・」 ”ニコリ”とそう笑う”女性姿”のその彼女。 「・・・・・。」 本当に”底知れない”その雰囲気に時折飲み込まれそうになる自分がいるが それ以前に”思い始めてきた事”胸の底で”聞こえる声”兵部と対を張りたいようでいて聞こえるその”青年は・・” 「どうしたの・・・・?」 「・・・・何でもねぇ・・・」 紅牙はそういって不機嫌そうにサニーのテレポート能力を使うとそのままどこかへと消えていった。 「”・・・・ほんとに便利な能力ね・・・彼”」 ”写真や映像に写らない死人の視覚催眠じゃなかったら事務所に紹介したいくらいのイケメンなのに・・・” 数日”時を交わしてみて”思った誰よりも”情に厚い”人間だと思う。”信用した人間を裏切らない”心の強さ。 愛されてるのね・・・”彼女”改めて空を見つめた。 「”ギフト・・・”ですか・・・?」 「”そうだ。あの方は”お前達のソレ”をそう呼んでいる”」 それが”神”の与えたものだというのであれば”神”の意思に沿って”従い幸せを得られるよう”仕事を与え指示するのが我々”USEI”の役目だ。 「・・・・素敵な・・・言葉ですね。」 素直に”頬”を染めて従う”ソレ”着実に”洗脳”は効いている。その上で”安定した”脳派指数。 ”伊号”に送られ吸収されていくそれも”美味く”機能しているようだ。今のところ”実験動物”に”拒絶反応”は見られない。 上手く、”着実に”事が進まれ行われている。”もう少し・・・”、もう少しで・・・・ ”無尽蔵に”他からのエネルギー体を溜めて強固に育っていく”もう一つ”の怪物の姿を思い浮かべながらアランは密かに笑っていた。 コンコンコン・・・・ドアを叩く音。 そして中に入ると座っている明らかに”老人”と思われる男性。 ”気配”というか”生気を感じない”その人”本当に生きているのだろうか?”と思うほど ”存在感を感じないソレ・・・・” 「”あぁ・・・”先”の”大戦”で”胸に大きな傷を負ってね・・・”」 何かを見透かしたかのようにその老体がこちらに来るよう手招きする。 「”京介は・・・”あたし達が”エスパーだから・・・・だから大事にしてくれるんだ・・・・”」 ノーマルにだって本当は皆本のような”いい奴”だって”沢山”いるのに・・・・・ ”温室育ち”のチルドレンにそういわれても”ヒノミヤ”にはピンとくるものは特に感じはしなかった。 確かに”あの”皆本二尉には”鬼気迫る”何かはあったが・・・”クイーン”本当にこいつが・・・・? ”兵部”が守りたかった”船”の本当の”未来の主なのだろうか・・・・・?” 「”美しい容姿だ・・・本当に”本に出てくる天女のように”君は神に愛されてそうしてここへと来たのだね”」 そう言って傍へと寄った彼女の手をとるとそのがさついたしわの多い手でその手をやさしく撫でられた。 「”知っているかい・・・・?この国の言葉では”天から授かったそれを”ギフトと・・・”」 どことなく”どこを見ながら言っているのかよく分からないその話口調”そして低音が続くその声。 これが”老人”というものなのだろうか。”少なくとも”父はそうなる前に死んだから分からない、その父の父親も先の大戦で戦死している。 ”エスパーを殺すことが名誉””死ぬことが名誉”と言われて育った自分には”その存在は少し小さく遠く感じた” それでも”この人が・・・”愛しいその人の”思想理念の”知識概念の教育主・・・ なぜか一瞬頭に浮かんだのは自分と同じ国同じ軍服を着た男性だった。そんな人は”知らない”私は最初から”この国で・・・”この国のために”軍”で・・ 「”・・・・・?”」何故か急に涙が出そうになった、”どうしてだろう?”幸せな、はずなのに・・ 「”そうだよ。君は”神”に愛されて”二つ”の”正反対の”能力をギフトとして授かった”」 時にソレは幸せでありまた”不幸を生む存在” 「”幸せに”なりたくないかい?”」なら”その幸せ”をそれを受けるに”正当な”人間に与えるのが正しい義務だ。 ”君は君のままこの世界にあっていいんだ・・・・” 「”ソイツは・・・・ソイツの名は・・・・・!????????”」 ヒノミヤの首を絞めるように差し迫る兵部。それとは”反対に”その手を取って自分の頬に寄せる”カセン” ”この人”が・・・”私を運命に出会わせてくれた・・・・・” やはり・・・”あの人か・・・・・” ”さ・・・・お・・・とめ・・・・・・!!!!!!!” 「”やぁ・・・・久しぶりに会ったね・・・クイーン・オブ・カタストロフィ・・・”」 伊号に手を当てその予知に触れる。 「それが・・・・例の予知ですか・・・・・?」 あぁ・・・”大戦末期”私はこの”女性”を予知で見た。 近い将来兵部とともに普通人に反旗を翻す。 その床には電撃を浴び眠らされたカセンが気絶して転がっていた。 「”・・・・すみません・・・・私の”教育”が行き届いていないばかりに・・・・”」 「いや”それでいいんだ・・・構わない・・・”」 ”殺意”というものは”秘めているからこそ美しい”研ぎ澄まされた刃物のように自分を傷つけるかのごとく諸刃の鋭い剣のように ”愛と憎しみというものは紙一重の裏返しのようなものなんだよ” それが”強ければ強いほど”お互いが”運命を”引き寄せる。 「”京介が私を追うように・・・”惹かれあう運命にあるんだよ”憎悪”と”愛情”というものは」 それが”先を尖らせ強く傷つけそして強ければ強いほど締め付けられるソレは強い力を帯びて膨らむ。 「”京介・・・・・早く私の元へ来い・・・・お前は私だけのものだ・・・・・・”」 その”姿”に正直”アラン”は”早乙女”の”名”の下に年下ながらに”普通人”として”高い固体値”でその”養子”として”亡国”への ”潜入捜査”へと軍に入ったその男”早乙女紅牙”に憎しみを抱いていた。 胸に下げた”リング”が”憎い”破壊してしまいたいほどの嫉妬心。”コレ”を育てたあの男が憎い。 当時まだ”階級”の低かった私よりも”期待され”そして”その視線”を独り占めにし”思想”の中心とも言えるその中で ”輝き”ソレを育てた”憎い”失敗作へ。 「”何も嫉妬することは無いだろう?”」見透かしたかのように部屋の中心を支配するその男が口を開ける。 ”これもまた。無くなった彼への慈悲として神が我々に与えてくれた天からの授かり物だ” 「”それに君はその名前で”支配”しようとしなくても”自ら”進んで私の意志を継いでここまで育って来てくれた”」 こんな素晴らしい”贈り物”を”育ててくれた彼には感謝しているが”私は”天命により天へと召されたそれには全く興味は無いんだ” 「”君がそれに嫉妬することもなかろうに”今はもう”彼女”は”君”に”懐いている”ただ少し”この名前”は刺激が強すぎたようだ”」 もう少し”薬”を与えて”従順に育てるといい”武器の所持もだんだんと増やしていっても”牙を剥く真似はしないだろう” 「”なぁに、私は”君”に期待しているんだよ。・・・私のために君もその”ギフト”を大事にしておくれ”」 「・・・・・分かりました。」 愛しそうにその眠る化け物を見つめる眼差し”本当に”化け物に魅入られているのだな。”この人は” 本当に”兵部”という化け物に対しても”カリスマ性”を理解できない。 「・・・それでも」それが”未来の平和のためであるなら・・・”今はこの”化け物”の力を借りようじゃないか・・・・。 寝てる頭を蹴りたくなったが”あの方”が愛しそうな眼差しで手に取りたそうにしていたのでその膝に頭を乗せた。まるで猫か何かを撫でるかのようにやさしく 眼鏡の外れたソレを撫でるそのお方「本当に・・・・情熱的で愛しい子だ。”彼”はいい子を育ててくれた・・・」 ”憎い・・・” その”瞳”と”愛情”を一身に受けるその”女の化け物”に劣等感を感じていたソレを重ねるかのように憎い気持ちと その嫉妬心をひたすらに感じていた。 ”奴を・・・・救ってやってくれ・・・・” 皆本の胸に入っていたキーでジープを動かしゆっくりと朝もやの霧の中へと消えた兵部の姿を追う。 「”復讐って!!!そんなに大切なもんなのか!????????未来を捨ててでも手に入れたい物なの・・・!??????”」 そう言って叫ぶ彼女に”そんな君が”好きだとまるで”死地”にでも向かうように最後の挨拶を交わす兵部。 「・・・・・。」 その後で”泣き崩れた”女王を何も言わず易しく抱きとめる”皆本光一”その姿。 ”・・・あぁ・・・・そうか・・・” だから”彼女”は”皆本”があの男が”好きになったのか”普通人といえども”誰より気持ちを理解して”傍にいてくれるどんなに感情を吐き出してもそれをそのまま受け入れる。 強く抱きしめた腕が何も言わずそれを語る。その姿に”自分の薄っぺらさを”感じて嫌になった。 まっすぐに。その身を抱えてみるめる瞳。”女王”を抱くソレに相手が”子供”といえども”自分との”差”を”感じてしまった。 一瞬”黒いスーツ”のN0.2とそれが”一瞬”重なった。 ”俺は・・・・・”先なんか考えたことなんか無い。 目の前で泣いてる奴が心を痛めている奴が困っていたら手を差し伸べる。ソレが誰でも。 でも”その全部”を受け止めてやれるような”器”なんかもっちゃいねぇ・・・・ あの遊園地で”お前は何も悪くねぇ・・・”そう言って優しく撫でて”兵部をあれだけ”心配していた”ユウギリ”をあんな目に合わせちまった。 今更”謝った”程度なんかで済む話なんかじゃない。”君は君のままこの世界にあっていいんだ”その言葉に絆されて”何人もの”自由を奪った。 その”罪悪感”を弾にこめて紙の的にずっと撃ってたけれども”兵部”やユウギリが”抱える”痛みはきっとこんなもんじゃねぇ。 何もわかんねぇガキの俺が言えることじゃないが・・・それでも”今”兵部に支えが必要なことだけはわかる。 ”仕事”も”圧力”もなんも無くなっちまった俺はそれにおあつらえ向きだ。 そんなことより俺も”俺”として裏切っちまった”ユウギリ”を助けたい。”今回”の潜入先は本当に”ソレを忘れたくなるくらい”嫌じゃない場所だった。 決して居心地がいいとは”いい切れは”しないがそれでも・・・・・ ”皆本”を見ていて思った”本当は・・・”アイツが”一番”求めていたものは・・・ 本当は・・・・”あの子”もきっと”ユウギリ”も誰より”普通の女の子”になりたかったと思う”チルドレン”や他のガキどものように”感情”のままに 甘えてみたり好きに泣いたり騒いだりしたかったんだろう”それでも・・”目立てば”それだけ”化け物”に見ているかもしれない”目”が自分達に向けられる。 だから”感情を素直に出して”甘えられる存在が”欲しかったのかもしれない”尚更ユウギリは幼い。中で少しずつソレを開かせてきた。 けれども”彼女は・・・”確かに”開き始めていた”だが”子供”じゃない。もしかすると”ユウギリ”より酷い仕打ちを受けることになるかもしれない・・・ ”俺でさえ”・・・・・・。「”合衆国には俺もでけぇ借りがある・・・”」 それに”ユウギリを助けだしてぇ・・・・”そういうと渡されたソレ。”穴の開いたリミッター”・・・・・・・・・。 ”ここにきて初めて紅葉姉さんの言葉が頭をよぎっていく・・・” アラそう・・・? ”少佐が自分でこんなの用意するなんて滅多にないわよ?十分気に入られてると思うけど?” 「フン。あんなジジィのオモチャなんてごめんだね。」 ”オモチャ”なんかじゃない。”オモチャ”扱いされていたのは”USEI”時代の俺だ。都合のいい”猟犬の捨て駒”。少なくともこの短い期間の間で 数えるだけで俺は3度も”兵部”に命を救われている。”反面”で少なくとも二回怪我と酷い目には合わされたが・・・ ”それでも・・・・・”テレパスが通じないリミッターのきかない俺、”ESP”を放ったままでも強く念じて見つめた瞳。 決して”居心地が悪い”とは”言いにくい”だろう”空間”だった、たった”数ヶ月”偽りの”仲間”壁を”作って”ぶち壊した”それだけ”の”関係”なのに ”こんなにも”仕事先に”思いを馳せて”悩んで”迷った”組織は”初めてだった。 ”今まで潜入してきたどの場所ともどの組織とも違う”不思議で居心地が悪くない”。不思議なそのESP空間” ”豪華客船という媒体があったからかもしれない” エスパーだけの犯罪組織という”悪質”概念が先行していたからかもしれない。 ”どっちつかずの半端物の俺がヒーローになれる場所・・・そう思えた部分があったからなのかもしれない” それでも・・・・・。 ”思い出すのは楽しかった日々となんだかんだで可愛がられた暖かい思い出ばかり” そして半面で”死地”には必ず”兵部”が”ソレ”を守ってくれた。 ”仲間の一員として。少なからず・・・知ってて信じたかったんだろう・・・・” ”殺気”ではない”強い意思”鳥ですら臆せず間を走り抜けていく。 「フン・・・」そう言い渡して”投げられた”兵部からの飼い犬の印。 ”全く悪い気はしなかった”憎んでいただろう”俺のこと”それでもそれ以上に”一人”の”人間”エスパーとして俺を見てくれていたのか。 これは”死地”に向かう”戦争なんかじゃない”兵部の過去にけりをつけて兵部とユウギリ果てはパンドラとエスパーの未来を救う戦いだ、 ”ゼロ”になったとはいえない。それでも”偽りの仲間でも敵同士でもない”お互い”同じ先”を見つめる”同志”心からそう願いたいと思った、 ”ユウギリを救いたい・・・・それと・・・・・・” 兵部は何も言わなかったが”気分も体も優れなくとも”俺を信用してくれた。ならば俺も今度こそ”ソレ”を返したいと思う。 たとえ”ZERO”にはならなくともここが新しい出立地点。絶対に。”二人”は助ける。 ”必ず・・・・・・”俺と・・・・”兵部”の手で・・・・・・ 朝日の昇る”光の先”へ待ち構える”未来の先”へとアジサイの道を行く。季節はもう梅雨。その”季節” 兵部の”誕生日”から数週間・・数ヶ月の時が過ぎた ”来年の・・・・・今頃は・・・”あの時の”自分を”思い出す・・・ ”絶対に生きてそしてその傍に・・・・”・・・・・・できればその笑顔を置きたい。 適わなくとも助けたい。”辛い思いだけはさせたくはない” たとえ”引き金を引いたのが俺だとしても・・・ ”好きだと思う”兵部も”兵部がいたあの場所も・・・” 壊したのは”俺”だけど・・・”そんなつもりじゃなかった・・・・ ”その借りは必ず返す・・・・”絶対”に・・・・・。” 二人がいる”その国”へ・・・・・・。 ■END/10話本編うろ覚え■ |