■”俺”が初めてその”情報屋”と会ったのはまだ当時10代の頃。 ”初めて来た”合衆国。マッスルに連れられて”他”の国の”アジト”の奴らとも顔合わせをすることになった時だ。 「あらん・・!?????真木ちゃんちょっとあの男かなりいい男じゃなくてぇ?」 腰を振りながらソワソワとソレを見つめるマッスル。 「いや・・・・・俺はその・・・・”そういう趣味はあんまり無いんで・・・”」 なんで”自分が”あの時”あんまり”とそう言ったのかは分からない。それでも何故か直接的に”拒絶するのは”ソレを認可したこの国と世話になっている目の前のこの男に悪いような気がしたからだ。 「ちょっとアタックしてくるから真木ちゃんはここで待っててぇん?」 「・・・・・・は・・・・・・・・・・?」 そう言ってマッスルはその男を追いかけていった。 「オイ・・・・・」 待てよこんな”見知らぬ土地”で一人でなんか合った日には・・・・・ ”下手に武力行使に出て政府と面倒ごとを起こすわけにもいかないが・・・・・・” ”何も無ければいいんだが・・・・・” ここは街中の喫茶店。屋外のテーブルに一人座って周りを見渡す俺。 その中で白いつばの広い帽子を被った白いワンピースのその女性。 自分より年上のずっと大人びたブロンドの髪。 それに似合った真紅のルージュ・・・・ 思わず息を飲むほどの美しいその女性に俺は目を奪われた ”・・・・・・・彼氏・・・・・待ちでもしているのか・・・・?” こんな場所には”似つかわしい”綺麗な姿をした”女性” それでも”まぁ・・・”ESPで”見た目”を綺麗に見せてる場合もあるかもしれないし・・・・・・ ”整形”とかそうやってる”有名人だって”豊胸手術に”整形手術”大手の舞台女優でさえやっているその”手術”。 美しく目を惹かれるその女性ももしかしたら・・・・ それでも勝手に目が引いて仕方ない・・・・・・・ ”それに”何でだろう・・・”妙に・・・”いい香りがする・・・・・・・。 風下に漂ってくるその女性のいい香り。 白い肌に見せられて、俺はいつしか眠っていた。 ■†THE UNLIMITED 萩原 カセンpart”司郎”† ■ 「・・・・・・?」 気が付くと。”見知らぬ場所”!????????? そして寝ていた白いベッド。・・・・・その隣には・・・・・ 「え・・・・・・?」 先ほどの”女性”・・・・・・ 「・・・!?????・・・・!?????」 思わずかけられた布団の下を確認した。 よかった、”衣服はつけている” 「・・・・・駄目じゃない」貴方、これから”パンドラ”の顔”として組織のつながりを管理する立場なんでしょ?」 横で眠っていたその女性が目を覚まして俺に言った 「・・・・・・あんた・・・・・・」 何モンだ・・・・!??????????? とっさに伸びる髪の炭素・・・・!????? 女はそれをかわすとヒュンヒュンと”テレポート”で回避する 「っ・・・・!??????」 まだ幼かった頃の俺には”守備範囲”が狭すぎる・・・・・・・・ 室内とはいえ”その距離範囲外”に逃げられ女はちゅっちゅと挑発する 「やっぱり・・・・・”距離は6m弱”って所かしら。”今”の炭素量だと最長でもそこまでが”限界ね”」 ”安心して?”私は”貴方の味方よ?” 敵じゃないわ。 「”只ちょっと隙だらけだったから挨拶してやっただけよ?”」 そう言って”彼女”は胸元から”黒い”ソレを取り出した。 「・・・・!????????”俺”の財布!?????????」 「”今の貴方の能力値。”私が”図った情報量”にいくらの値をつけてくれる?」 「・・・・・・・は・・・・・・・・・?」 「”アラごめんなさい。自己紹介が遅れたわね。私のコードネームは”サニー”フリーの”情報屋”よ。」 好んだ情報は”依頼が無くても”集めるのが”趣味なの”だから”事前依頼でも事後依頼”でも”収拾能力”は”自信”があるわよ? 「・・・・・まぁ”貴方”が簡単に釣られたとおり”こっち”の方にも”自信”はあると思うけどね。」 そう言ってちらちらと見せる胸元 とたんにそれに反応して赤くなる俺・・・ 「”うっせぇ・・・・!!!!!!!!”」 だから「貴方の効果範囲はもう見切って・・・・・・・・」 ”え・・・・・?” ムカついた俺は女に向かって目の前にあったベッドを掴んでブン投げた 「ちょ・・・・!?????????”ソレは流石に計算外・・・・・!????????”」 キャァアアアアア!???????そう言って気絶した女。 そこに”マッスル”がドアを開けてやってきた 「アラ?真木ちゃんアタシが場所を教えてなかったのに自分でここにたどり着いたの?」 少しばかり艶やかな様子で気分よく戻ってきたマッスル。 「・・・・”あなたの推薦する”No2”はかなりの問題児のようね・・・・・”」 そう言ってベッド下から起き上がった”サニー・・・・” その姿は・・・・ 「・・・・・よう、元気にしていたか?”オッサン”」 いまだ変わらず美しい”女性の姿”を形どるその情報屋に”情報料”の入った”買い物袋”を渡す 「オッサンとは失礼ね。これでも”こっちじゃ”結構顧客も多いのよ」 あの日ベッド下から出てきた”彼女の”本当の姿は”女ですらなかった”むしろ・・・ 「いやぁあああああああん・・・・・!!!!!”サニーちゃんの”本性久々に見たじゃない・・・・!??????」 マッスルが喜ぶほどの”イケメン”むしろ”合衆国”映画のトップスター・・・・・・・・ 表面上は”ノーマル”としてアイドルを飾るソレ。それが”普段は”違う姿をして”依頼人の前に現れる”。 今日の目印は目の下の泣き黒子。近くに寄ればまるで引き寄せられるかのように催眠で誘導される。 ”顧客個人だけを対象に呼び寄せるその能力”加えて”変幻自在”の能力と”保護”された”人権”。 「オッサンになったのはあなたの方じゃない?”司郎?”・・・・それと今日は私とデートの予定なんだから少しは楽しそうな表情しなさいよ?」 そう言って”プレゼント”と女じみた大きな鞄を渡すそいつ。 「中には買い物の茶封筒とその中に・・・」 ”中に入るのは”苦労したのよ?”・・・・・・・・入ってしまえばECMで”正体”がばれかねない中、パパラッチからゲットしたの。” それでも”彼”は捕まって殺されたみたいだけどね 「そうか・・・・・」 「・・・・ところで今日は”マッスル君”は来てないわけ?」 また”あの子好みの可愛い彼を見つけてリークしたんだけど・・・・・?” そう言って”色目を使う”年上の男。今は”女性”の姿を見せているが正直気持ち悪い。 「・・・・・・・そういうのは”ヤメテ”くれないか?」俺は・・・・・・・ 「”フゥン・・・・”なら貴方が”他国”で”連れ回してた”彼女の素性と行方も知りたくは無いって訳?」 ・・・・・!????? 「・・・・・・”カセン”・・・・!???」 ”カセン”の”所在”を知ってるのか!?????????? 「・・・・・・”デートしてくれなきゃ教えてあげなーい・・・・・・・♪」 そう言って楽しそうに胸元にちらちらと写真を挟むカマ野郎。 正直”初めて”会った日にも”確実”に”俺”を一人に”するため”にマッスル好みの男を”確実”に用意して来た”あの日”といい。 ”コイツホントにそっちの気があるんじゃなかろうか・・・・・?”軽い”貧血”と気持ちの悪さにくらりと”眩暈”がしそうになった。 「”それとも貴方が今まで寝た女の数と相手でも”その子に教えてやろうかしら?”」 「・・・・・・”マジで殺すぞカマ野郎・・・・”」 流石にその一言には殺意が沸いた。”そこまで”知っているのかどうかはともかく”話される”わけには行かない。 いくらなんでも”言えない”だろう。相手が”どんな”女だと”言ったって”・・・・それを”話してしまったら・・・” 「”アラ?”フリーの情報屋”の私の生命の保護を確約することが条件で今回は格安に情報提供させてもらうんじゃなかったの?”」 それとも”普段どおりの高い御代を”頂いてもいいのかしら? そう言ってひらひらと見せる写真。”ソレ”は前にヒノミヤ達と一緒に任務に着いた頃の俺とカセンの映る姿。 「”お前・・・いつからそんなモン撮ってたんだ・・・”」 ”最初からよ?” 「”少佐に頼まれて逐一情報を集めるように言われてたの”」でも流石に今回は”敵”の”圧力”が強すぎて”内部”までは深くは探れなかったけど・・・・ ”アンディ=ヒノミヤ”その”捜査官”の事も多少は調べていたわ。時々少佐に”リーク”しながら”気をつけるよう言ってたのに” 今回は”残念だったわね・・・!” バンッ!!!!!! 「”少佐は・・・・・死んでない!!!!!!”」 流石にその一言に苛立ちが限界だった俺はそいつの胸倉を掴んだ。 「・・・・バカね・・・・そんな大声で言ったら”素性”が回りにばれるわよ?」 ちゅっ ”女”の姿に身を扮した男は去り際に俺のすそに何かを入れると”別れ”の挨拶に額に口付けて去っていた。 「・・・・・・。」 帰り途中。邪魔なバッグを捨てて中に入っていた茶封筒だけを取り出した・・・・・ 何だコリャ・・・・明らかにおかしいだろう・・・・・”ラップに・・・”妙な買い物チョイスの中身に入っていた”その情報”それと俺の裾に入れられたそれ。 ”カセン=ファインスト・フィルフォーレ”その名前は知っている・・・・。 元々彼女の”情報”自体も”あの男から”手に入れたものだ。その”素性・・・”大体は知っている”只”初めて観た。 ”幸せそうに笑う彼女の隣に居る・・・明らかに恋人と思われるその男性” 現”USEI”の設立前からの”組織”の登録メンバーの末端・・・・・。 ”早乙女・・・紅牙・・・・” 対エスパー用に特殊訓練を受けて育ってきた彼女の素性。 痛々しい。その中に。”生殖能力”無し。 ”特異体質”による”遺伝”にからの”生まれながらの戦闘兵器” 能力開花”以前”から”手にしたモノの全てを殺傷力の高い武器に変えることが出来る天才的なセンス”の持ち主。 生存確認までは”映像”に写せなかったが”戦闘力か数奇ESPな能力”を”合衆国”側は”彼”の”報告”を元に今回”捕獲対象の一人に選ばれた”。 ”用途不明/内容不明/生存確認不明”但し今回の”捕獲”の末端に”崩壊した”彼女のいた王宮時代の軍事政権の過去が介入している模様。 「・・・・・・そうか・・・」だから”カセン”は怯えていたのか・・・・ 俺が”いつか”その瞳を”自分の目”から逸らすことに。 ”生殖能力”無し。 その”報告”が一番目に焼きついた。 ”怯えているんじゃないのかカセン”怖い思いをしているんじゃないのか 生殖能力無し”それは”余計なスキャンダルを避けたい軍と政府にとっては都合のいい娼婦と同じだ” ”生まれないのだから”多少の”手荒”なマネは”ばれない”尚更”子供にさえ”平気で銃を向けてきた奴らだ、それがもし”彼女”に”視線を向けたなら”。 早く、”この手に収めたい”俺は”それ”でも”構わない”隠していた過去の一つに”その”怯えがあったのか・・・ ”だから”俺が”他”に目が向くことにあれほど怯えてひたむきに・・・・・・・”今”に”甘えたい気持ちを我慢して・・・・・・。 ”いつか捨てられるかもしれない・・・”そういう”不安”を抱えていたのか・・・・最初から ”他の女以上であって”他の女には”敵わない”それを”持たない劣等感”と”捨てられるかもしれない”恐怖。 ”いつまでも過去の”亡霊を”追っているのは・・・・”いつか”捨てられるかもしれない”自分の”逃げ場を残すためか・・・・・” ”捨てはしない見捨てもしない殺しもさせない”辛い思いも痛い思いもさせたくない。 ”アンディ=ヒノミヤ”正直言ってその情報はどうでもよかった。”今は”そんなものどうでもいい。 一緒に手渡されたその紙面を破り捨てると俺は紅葉たちの待つアジトへと足早に去っていった。 その紙面の間には”バベルの衛星から入手”したカタストロフの残骸が燃える海の画像が見えた。 ”ぐ・・・っ・・・・・”少佐・・・・・・・。 少佐を匿い”保護”している事は”合衆国側にも国外にも”もれてはいけない情報だった。 だから”あの情報屋”にもその生死と所在はつかめなかった只燃え上がる船上を捉えた写真の片隅に。”上司に”撃たれて倒れたアンディも写真に収めて破られた。 「カガリ・・・カズラ・・・奴の”警備”を頼んだぞ・・・!」 「「了解・・・!」」 ”途中”最初から路地で待ち構えていたカガリとカズラの二人に”サニー”の警護と保護を任せた。 正直”子供”と言える歳であろう彼らを”危険な”場所に巻き込むわけにはいかないが、今は”資金”にも”情報”にも”人手”にも”不足”している なにより”彼”が手に入れた情報”だけ”は”確かだ”今それを失っては”遅れを取る”なによりアレだけの騒動が全く”メディア”に明かされていない。 なら”尚更”それを”入手”できるアナログ世代の”情報屋”は役に立つ。 下手なデジタル交信で”ハッキング”されてしまえばお終いだ。 ”葉”の”能力”を使うにもこの国は広すぎる。 幸いな事は”ここ”が”現場”とそう遠くない場所であったことだ。 ”合衆国・・・・”それが”俺たち”布いては少佐の”敵か”・・・・・・ ”ユウギリ”捕獲されたその姿も心配だったがそれ以前に ”用途不明/内容不明/生存確認不明” 「カセン・・・・」 心配でならなかった。”早く”その手に収めたい”不安な思いをしてないか”こんなに”離れ離れになったのは初めてだ”。 俺のほうが”不安”でたまらない”かけられた”催眠なんかとっくの昔に解けている。今”その中”で俺を突き動かすこの感情は・・・・ ”カセン・・・・・少佐・・・・” 無事で居てくれ・・・・・・ 今はそれを”祈ることしか”出来なかった ■NEXT■ |