「この国では・・・昔戦争があった・・・・」 ”大陸”で生まれた僕が日本に戻ってきたのは 本土が”空襲されるなんてまだ”誰も思いもしなかった頃。 ”戦いは海の向こうのことで。人々はどこか平和な気分のまま。毎日を暮らしていた” 「ここが日本、とうとう来たんだ・・・”お父さんの国に・・・・!”」 ■†THE UNLIMITED 萩原 カセン UpartC† ■ 「なるほど・・・それが君の選んだ答えか・・・!”潜入捜査官、アンディ・ヒノミヤ”」 「く・・・っ!???兵部!???・・・・まさか!???こんなに早く!???」 「コレはカタストロフィ号の要だ。”君ごときには渡さない”。」 「お前・・・俺の”正体”を・・・」 「初めから気付いていたよ”あの不自然な態度、合衆国仕込みの射撃術・・・”けど、何よりも・・・」 ”認めたくは無いが君の目はどこか思い出させるのさ・・・・・” 「”とある愚かな一人の少年”をね・・・・」 ”答える必要は無い” 「何故なら、ヒノミヤ。”君はココで死ぬから・・・!」 ”かつての僕と同じようにね・・・・・” 少佐がそういって”ヒノミヤ”との”会話”を続けている頃、彼女は”深い深い”眠りについていた。 ”ソレは”まだ”兵部”が”日本を離れる”と言い出す少し前の事。 船を”沖縄”の一端に”隠し”彼らはつかの間の”リゾート気分”を味わっていた。 そんな中。”兵部”は一人”かつての戦友質の母艦へと手向けの花をかざしていた。 「キャハハハハ!」 子供達が紅葉たちと水着で浜辺で遊んでいる。 真木やアンディ達は砂浜で昼食のバーベキューの準備。葉もまたその隣でそれをサボりながら子供達と遊んでいた。 「あーぁ・・・つまんないの。」 ”いくら海水浴にもってこいの綺麗な海と浜辺といえど能力上肌を晒す事は身の危険を自分か寄せることにも繋がる彼女は”それを分かっていて”あえて”海での”レジャー”からも”浜辺での作業からも”離れて付近の森の中を探索していた。 ここは人里離れた無人島の一角。 原生林と野生の生き物が密生するその中で”彼女”は”それに似つかわしい不思議なもの”をそこで見つけた。 ”何コレ?・・・・・・木の幹に日付か何かの後がある。” それは”只””正”という時が大量に書かれた”古い”人口の傷跡だったがまるで遭難者か何かが壊れ果てる自分の意思を守ろうとするかのように最初はしっかりと最後はどんどん荒れて傷つき乱雑な書き方をされていた。 「フゥン・・・随分昔の傷跡のようだけど・・・・・”ここで昔遭難して死んだ人間でもいたんだ”」 ”感応系”と言っても”体質上”そちらともまた違う彼女は特に情報収集をするつもりでもなかったが、なんとなくそれに触れた。 木々の間から流れる風が微かに漂う彼女のそれを森の奥へと誘っていく・・・・。 その奥には小さな滝つぼと湖があった。 その”奥底に残っていたソレに”その風が微かに揺れる 水面を揺らして漂う”ソレ”にそこで”溺れて”死んだ”微かな”残留思念が反応した。 それは”木々”にソレを残していた”人間とはまた違った”まだ近年に”死んだソレ” とっくに溺れて果てた死骸はどこかに消えてしまったが。その時つけていた”リミッター”に残っていた残留思念。 それが”彼女”の能力に呼応して”反応したのだ・・・・” ”女の子の・・・・・臭い?” 青年はまだ”初恋”すら”知らぬまま”彼女居ない暦=年齢のまま死んだ事を後悔して、”思念”がソコに残っていた。 ”女の・・・・・子・・・・!!!!!!!” ”ヤりたい!!!!!”もはや”長らく気持ちを抑えたまま途切れかけていた思念波はそれが再びよみがえったのと同時に暴走したのであった・・・!” 「姉さん・・・!起きろ!!!!!船の様子が何か変だ!!!!!!」 そういって起こしに来たのはその時接触した”残留思念者”今は”体を移し変え”九具津さんの”作った”人形の体に”本体”であるリミッターを埋め込んでそれなりに”人の形をして”パンドラ”で生活していた。 ”彼”には”兵部”の”ソレ”が聞かなかった。”複合能力”で感応系の彼は”ソレ”を生かして”彼女”の居場所を見つけるとなりに居た”男”をベッドから蹴飛ばすと”横で寝ていたカセンを無理やり揺さぶり起こそうとする” しかし”兵部の催眠”は中々強固で彼女は閉じた目を開けようとしなかった。 ”えぇい!!!すまねぇ!!!!”姉さんごめんなさい・・・・!!!!! そう言って彼は無理やり寝ている彼女に口付けようとした。 ”瞬間” バァン!!!!!!!!!!!!!! 「誰だ・・・・・・」 不機嫌そうに目覚めた彼女。 完全に弾は額を貫通していたが”人形”の体なので特に”驚き”はしたものの”本体”さえ”壊されなければ”この程度は最初から”覚悟の上だった。 「姉さん!何かおかしいんだ!!!!船の様子が何か変だ!!!」 そういってもう一度彼女を揺さぶる人形の男 その横で 「うぅん・・・」 やっと。”テレパス男”の”下僕1号”もその重いまぶたを開けたようだ 「お前には用なんか無ぇよ・・・・!!!!」 ”下僕2号”は”嫌そうな目を向けてそれを蹴飛ばすと”彼女を姫抱きに抱きかかえて部屋を出ようとする 「アレ・・・?”あたし・・・何でこんな所に・・・・!??」 それに”紅牙・・・!”あんたは確か”九具津”さんと一緒に”紛争地帯に行ったはずじゃ・・・!???” 彼女によって”紅牙”と名づけられた”名前を忘れた”青年の思念体は 「やっぱ”男”はいらないんだと。」 ”部屋で大人しく寝ながら姉さんの気配でも察知してストーキングでもしようかと思ってたんだけど何か様子がおかしかったから念動力で起きてきた”とあからさまに何かおかしな”一言”を”付け加えて”そういったが今は”それ”に突っ込みを入れられるような状況ではなかった。 とりあえず撃たれた箇所を”ヒュプノ”で隠すと元通りに見せた体で彼女を抱きかかえたまま外に出ようとする 「いい・・・一人で歩け・・・・る・・・?」 アレ? ”体が上手く動かない・・・・?” 「まだ”催眠がうまく解けて無ぇんだよ!!”こんなところで無駄に体力使うより俺が外に運んでやるから一緒に”異変の原因”を付きとめようぜ?」 そういって”下僕2号”は”1号”の部屋のドアを開けて外に出た 「あの・・・・俺は・・・・?」 ソレをこれまたうまく体が動かずふらつく”1号”が呆れ顔でそう言った。 ■NEXT■ |