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03



「ホモが多いのはわかりました」
「いや、ホモって言うかゲイって言うか」
「?違うんですか、それ」
「多分ね。で、そう。少しそのことで話しておかなきゃいけないことがあるんだ」



コーヒーを一口啜る。美味しい。



「まあ、これはあくまで生物学上の統計なんだけどね。男というのは女性より、その、性欲、が強い生き物なんだ」
「そうらしいですね」
「それでね、なんと言うか……非常に言い難いんだけど……対策はうっているんだけど、女性に飢えてるからか、その、どうしても…………強姦が起こったりするんだ」
「強姦……」



それはまずいだろう。犯罪だ。
そもそも、女性に飢えて男に走るのはわからないこともないが、どうして犯すところにまで発展するのか。



「今時大学生だって経験したことないって人がいるのに、高校生風情が耐えられないってないでしょう」
「あっさり言うね……まあ、恋愛の延長線上で、って肉体関係持つだけじゃなくて、身体だけでも、って抱いて抱かれてってやっちゃう子、少なくないんだ」
「その程度我慢できない阿呆に将来の汀を背負わせていいんですかね」
「か、香黒君、本当のことはもっと婉曲的に!」
「それフォローになってませんよ」



どちらかと言うととどめを刺してる、の方が正しいくらいだ。
こんなに抜けているのに、どうやって金持ちを相手に上手く経営できているのか不思議なくらいだ。



「まあ、そんな悪しき風習があるから、是非香黒君には顔を隠してほしいんだ」
「……それでこの眼鏡、なんですか」
「そういうこと!」



今の俺の顔には銀フレームの眼鏡がかけられている。しかもこの眼鏡、ただの眼鏡じゃない。



「さすがミラージュ……幻術の眼鏡は違うね。あの香黒君が地味に見えるんだもんね」
「……意味あるんですか」
「あるよー!香黒君の顔は綺麗だから着けておかないと」
「……」



「綺麗」なんて言葉、親類以外の人に言われたことは一度もない。

つまりこれは親(正しくは叔父)の贔屓目、というやつだ。
まあ、下手に反抗するとややこしいので放っておくのが一番だろう。

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あきゅろす。
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