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恋をしたのは・5・
※R18指定
他の人じゃなくて
君の口から
本当の気持ちが聞きたい。
恋をしたのは・5・
一体何がどうなってるのか。
タケシはカスミちゃんを知ってる。
いつから知ってたのか、どうやって知り合ったのか。
そもそも2人はどういう関係なのか。
もう訳がわからない・・・。
いつのまにか雨が降り始めた。
それでも歩く速度を落とすことなく俺はただカスミちゃんの家に向かっていた。
頭がまだズキズキと痛むけど、それより早くカスミちゃんに会いたくて仕方がない。
不安で胸が押し潰されそうになる。
・・どうしてこんなに苦しいのに、俺はカスミちゃんじゃなきゃダメなんだろう。
諦められたら楽だと思うのに。
このまま何も知らないまま会わずにいれば、傷つくことはないだろうに。
それでも、あともう2つ角を曲がればカスミちゃんの家に着くと分かった瞬間、俺は駆け出した。
真実を聞けば傷付くのかもしれない。
でもなぜか期待をしてしまう。
カスミちゃんはきっと、俺のことを特別に想ってるって。
カスミちゃんはきっと、俺のことが−−−・・・
角を曲がるとカスミちゃんの家が見えて、ちょうど帰宅する彼女の姿を視界に捉えた。
今だれよりも求めていたその名前を呼ぼうと口を開けた瞬間、カスミちゃんの傍らに男がいるのが見えて、
そしてその男が−−−・・目の前でカスミちゃんを抱きしめた。
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
でもすぐに怒りが湧いた。
嫌がる様子を見せたら、すぐに殴りに行ってやろうと思った。
思い切りぶん殴って、カスミちゃんの手を取って、俺の方に抱き寄せてやろうと。
でも、カスミちゃんは頼りなさげに顔を伏せ、ゆっくりとその男の肩を押すと、−−−・・柔らかな笑顔で微笑んだ。
・・・なんだよそれ。
何でそんな顔、そいつに見せるんだよ。
本当は抱きしめてほしいって、そう思ってる顔してる。
特別なのは、俺だけじゃなかったのかよ。
どうして、
俺だけを見てくれないの−−−・・・
その場から動けなくて、男を見送るカスミちゃんをただぼんやりと眺めていた。
どう見ても彼女に好意を寄せているその男に、切ない笑顔を向けて距離を取るカスミちゃん。
そしてようやく、俺は気付いてしまった。
・・・その光景はまるで、自分を見ているようだった。
あぁやって、カスミちゃんに拒否されるそいつは、俺と何も変わらない。
カスミちゃんにとって、俺もそいつも同じってことかも・・・
絶望的な気持ちに襲われる。
俺も、ああやって距離をとられ続けて、いつまでも気持ちを受け止めてもらえないのか。
どうしようもなく途方のない気持ちになって、馬鹿みたいに立っているのもやっとな俺に
「・・サトシ、君・・・?」
カスミちゃんが気づいて、目を見開いた。
突っ立っている俺を見て、カスミちゃんが駆け寄ってくる。
「ずぶ濡れじゃない・・。どうしたのサトシ君・・。どうしてここにいるの?」
何も言えずにいる俺を覗き込む彼女の姿も、今はまっすぐに見れない。
「とりあえず、家に入って。」
雨に濡れた手を引かれて、言われるがままカスミちゃんの家に入った。
「サトシ君、何かあった・・・?」
・・・頼むから、そんな心配そうな顔しないで。
「サトシ君・・・?」
今の俺は、
君に優しくできそうにないから。
「っサトシ君、なにっ・・?」
グイッと手を引っ張って、俺はカスミちゃんを寝室までつれて行き、ベッドの上に押し倒した。
「いっ・・・サトシ君、いたい−−−・・」
「好きって言えよ」
−−−こんなの最低だ。
手首を押さえつけて、無理やり組み敷いて、怯える彼女にこんなことを強いるなんて−−−・・・
「俺のことが、好きだって言えよっ」
こんなことに、何の意味もないのに。
「なぁどうして・・・俺を好きだって言ってくれないんだよ・・」
「・・サトシ君・・」
「好きだよ・・。カスミちゃんが、好きだよ・・。」
ほら。
またその切ない顔をして、何も言ってくれないんだ。
俺の気持ちを知ってるくせに。
俺を拒否しないくせに。
俺の想いには応えてくれない。
もういい加減、焦らされるのはウンザリだよ。
「今日は、好きって言うまで離さないから。」
「・・え?・・・・・っちょ、サトシ君!」
カスミちゃんの服の裾から乱暴に手を差し込んで、暴れる彼女から服を剥ぎ取っていった。
「カスミちゃん・・・」
「ま、待っ・・・はぁっ・・・」
慎重に、だけど確実に、
無理やり快楽を引き出していく。
「サトシっ・・君っ・・や、め・・・」
「やめてって言う割には、感じてるみたいだけど・・?」
「ちがっ・・・そうじゃ・・な、い・・」
「ほんとに?ここ、こんなになってるのに?・・」
「ん、あぁっ・・・」
敏感な部分に指が触れると、カスミちゃんの体が跳ね上がり甘い声が上がった。
どこにどう触れれば声を上げるほど気持ちがいいのか、カスミちゃんの身体のことならよく分かる。
「気持ちいい・・・?」
「っん・・・」
「もっと、してほしいんでしょ?」
「ふ、ん、んんっ」
「カスミちゃん?」
「・・・う、っん・・・」
身体に触れ、どんどん蕩けていくにつれ、カスミちゃんが素直になっていくことも。
どのくらい焦らせば、
「サトシ・・君っ・・」
「ん?・・」
「も、いかせて・・・」
カスミちゃんがお願いしてくるのかも。
「俺のこと好きって言ったら、いかせてあげる。」
薄眼を開けたカスミちゃんは、涙をためた瞳を細めた。
「・・・サトシ君、なんか、嫌い、だよ・・・」
そう言って微笑んだ瞳から、一筋の涙が頬を伝って落ちた。
「・・・っなんでだよ!」
俺はカスミちゃんに覆い被さり、思いのままに体を揺らした。
強すぎる快感の波に、カスミちゃんが苦しそうに甘い声を上げる。
そんな顔で、どうして嘘をつくの。
どうして、隠すの。
なぁ、どうしてなんだよ。
もう何度目かも分からないくらいカスミちゃんの身体が絶頂を迎えるのを見て、俺も果てた。
カスミちゃんは意識を失ったのか、そのまま眠ってしまったようだった。
冴えていく意識の中、罪悪感が芽生えていく。
「ごめん、カスミちゃん・・・」
カスミちゃんに布団をかけて、俺はベッドに腰をかけたまま頭を抱えた。
・・・自分の馬鹿さ加減に吐き気がする。
カスミちゃんが起きた時ここに自分がいていいのか分からないけど、謝らずに帰るのもどうかと思う。
だけどもう、どうしたら・・。
自分の気持ちも、押し付ける事しかできないカスミちゃんへの気持ちも、どうしたらいいのか分からない。
ため息を吐いて、顔を洗ってこようと重い腰を上げた。
部屋を出て、何かにコツンと足がぶつかった。
「アルバム・・・?」
今までこの家で見かけたことがなかったから、思わず手を伸ばしてしまった。
そんなに古くないみたいだ。
表紙に触れて、ゆっくりとページを開く。
「・・・・え?」
俺は目を見開いて、息をする方法さえ一瞬忘れた。
「な、んで・・・」
そのアルバムの中には、
「なんで、俺がいるんだ・・・」
幼いカスミちゃんと肩を並べて映る、俺の写真が収まっていた。
震える指でページを開けば開くほど、カスミちゃんと俺の写真が増えていく。
ハルカやヒカリたちもみんな、一緒にカスミちゃんと写っていて、そこに俺もいる。
今より少し若い、ほんの数年前のカスミちゃんとこの家で写っている写真もある。
そしてそこには、
タケシと3人で映る幼い写真もあった。
「これ、旅をしてた頃の・・?」
ポケモンマスターになる前、俺は最初の旅をタケシと過ごしたはずだった。
カントーもオレンジ諸島も、タケシと2人で・・。
いや、違う・・・。
もう一人、大切な人と俺は出会ったはずだ。
この記憶は、どういう・・・
「・・・・っ!!」
ズキン−−−と激しい頭痛が襲ってきて膝から崩れ落ちた。
強烈な頭の痛みに、後ろの壁に思い切り体をぶつけた。
「・・サトシ君・・?」
物音で目を覚ましてしまったのか、カスミちゃんが部屋から出てきて、咄嗟に俺の身体を支えてくれた。
「サトシ君!!どうしたの!?」
心配しないでって言ってあげたいのに、声も出かければ腕すら動かせない。
カスミちゃんはふと俺の手元に目をやり、アルバムを見た途端顔を青ざめた。
「サトシ君、しっかりして!!すぐ救急車呼ぶからね!大丈夫だから!!ねぇサトシ君!!」
必死に俺の名前を呼ぶカスミちゃんの顔を見つめながら、俺は意識が遠のいていく狭間で
「サトシっ!!!」
どこか聞き慣れたその音を最後に、目を閉じた。
to be continued
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