[携帯モード] [URL送信]
思い出と迷子




裏裏裏山の最深部。
ここは先日、遠足をした場所だ。
綺麗に咲く桜。さらさらと流れる濁りのない川。その川に落ちて流れる桜の花。
昼間も綺麗だが夜になればもっと美しくなるこの場所は学園長のお気に入りだ。





「食堂はどこだー。」
「あれ?お前たしか3年ろ組の次屋三之助?」
「あ、学園長先生、ちわー。」
「うむ。」



いやいや。てかなんで次屋がここに?
いつもの迷子か?富松作兵衛も大変だなぁ……。



「学園先生はなぜここに?」
「ん?あぁ、桜の様子を見に、な。」
「この前、遠足で来たじゃないすか。」
「迷子のわりにはよく場所覚えてたな。」
「俺迷子じゃないすよ?」



いや、迷子だよ絶対。しかも無自覚の。




「まぁ、いいや。食堂行くんだろ?一緒行こ。」
「はい!」




そう言って次屋は私の手を握って来た。
なにゆえ?



「作兵衛が誰かと行動する時は手を握れって。」
「なるほど。よく躾られてるな。」



富松も苦労してるんだな。
よし、今度甘味の差し入れ持って行こう。




「あの桜とても綺麗ですね。」
「当たり前だ。綺麗なお姉さんが植えたんだからな。」
「え?誰すか綺麗なお姉さんって。」
「私だよ。わ・た・し。」
「綺麗なロリ婆姉さんか。」
「ちげえよ。」



なんだよロリ婆って。
そもそもロリって幼女だろ。私見た目20代前半ぐらいだろ。




「まぁ、あそこには沢山の思い出があるからな。今度また迷子に来た時桜の木に登ってごらん。忍術学園を一望出来るから。あ、木を傷付けん程度にな。」
「わかりました。」



そこから見える景色が本当いいんだよな〜。
我が癒し的な。




「あ、そう言えば1年は組が学園長先生を名前呼びしてましたがあれって新しい宗教ですか?」
「違いますがなにか?」



何だよ新しい宗教って。
『さくら教』ですか?誰が入信するんだよ。




「あれは鉢屋三郎が発端だ。それから黒木庄左ヱ門に渡り1年は組に渡ったんだ。」
「へー。なら俺も、『さくら学園長』って呼んでもいいですか?」
「うむ。好きに呼べ。」
「ならさくら学園長。年はいくつですか?」
「おまっ、女性に年齢聞くのは違反だぞ。」
「学園のほとんどがその話題で持ちきりですよ。」
「忍術学園こえーな。」




こんな事で一致団結とは、笑いが込み上げてくるわ。



「さくら学園長はあまり怒りませんね。」
「え?」
「さっきも、女性に年齢聞くのはダメだー、と言ってるわりには笑ってるし。危ない人すか?」
「なんでそうなるの?」



笑っただけで危ない人扱いって世の中の笑顔が絶えない人に謝りなさい。



「怒ったってどうにもならないんだから笑ってた方がいいだろう?」
「なるほど、なるほど。」
「いいか、次屋。忍者と言っても私達は人間だ。イヤな事があれば怒るし、悲しい事があれば涙する。でもね?泣かせる事より笑わす事をしなさい。怒らせる事より喜ばせる事をしなさい。」
「ほうほう。あ、俺の事も三之助と呼んでください。」
「お前ちゃんと聞いてた?まぁ、いいや。食堂に着いたぞ。早くご飯食べて寝ろ。」
「まだお昼ですよ。」




クスクス笑って別の方向に行く次…三之助をムリヤリ食堂へ投げ込んだ私は悪くないはずだ。おばちゃんに「めっ!」って言われたけど。




「あ!三之助!お前どこ行ってたんだよ!」
「さくら学園長と散歩だ!」
「おま、何で学園長先生を名前呼びしてんだ!!」
「何だ作兵衛。羨ましいのか?」
「ちがーう!!!!」




ーーーーーーーーーー

思い出全然入ってなかったし次屋のキャラが掴めない。
ちなみに桜の木を傷付けたら死んじゃうそうですので気を付けてください。

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!