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天女の待遇





「学園長先生の事情は分かったとして、どうしますか?」
「何がだ?土井先生。」
「何がって…、あの天女の事ですよ。」





ああ、天女か。
すっかり忘れてたよ。





「まぁ、どうするって言っても私じゃ敵視されてるからな。」





本当、困ったよ。
これじゃあ何も出来ん。






「私達も、ワガママ娘に付き合ってやるほどお人好しではありませんしね。」
「本当それ。」





私達もまぁ暇じゃないしな。
どうすればいいんだか。






「だからと言って衣食住を与えるほど我々も裕福ではない。」





生徒のためならまだしも、だがな。
うーん、と考えていると尾浜勘衛門こと勘ちゃんがハイ!と手を挙げた。





「はい、勘ちゃん。」
「雇う、と言うのはどうですか?」
「雇う?」
「はい。事務なり食堂の手伝いなりさせれば万事解決!」





待て待て。
そうなればお給金が発生するではないか。
さっきも言ったがここは裕福じゃないのよ。






「家賃、食費、光熱費…。それを引いたお給金でいいじゃないですか。」
「三郎、お前なかなか頭いいな。」
「さくら学園長に褒められた…!」






喜び涙を流す三郎は放っといて問題は誰が天女に伝えに行くかだ。
やはりここは学園長である私が行くべきか。





「敵視されてるさくら学園長が行っても逆効果。ここは6年に任せてください。」
「やばいな。仙蔵が輝いて見える。」





まじで。
背後に後光さしてるよ。







「だがありがたい。頼まれてくれるか?」
「ええ。天女の事は任せてください。」






この時代の優しさに年甲斐もなく泣きそうになったのは秘密という事で。










「でも君達さっきワガママ娘に付き合うほど暇じゃないって言ってなかったか?」
「ワガママ娘には付き合いたくありませんがさくら学園長には付き合ってもいいかな、と。」
「立花先輩、さくら先生とワガママ娘を同列にしないでください。」
「すまんすまん。」




――――――――――

優しい仙蔵さんはお好きですか?

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