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イレギュラーな私




さくら学園長から告げられた内容はとても残酷な事だった。






「私は19歳で前の世を去った。」

「その記憶は今でも鮮明に覚えている。」

「前の世は天女とやらと同じ世だと思う。」

「ただ、なぜ前の世で命尽きたのかは分からない。」




「そしてこの室町に生まれ変わった。」

「きっと、この世界で私はイレギュラーなのだろうな。」

「あってはならぬ、そんな存在だ。」






その言葉に、信憑性はない。
天女の言葉も…、さくら学園長の言葉も…。
でも、








「さくら学園長の方が天女よりかは信用あります。」





ストンと天井から降りる。
なんだ、我々だけでなく5年生もいたのか。






「前にさくら学園長が言った言葉…、そう言う意味が込められていたんですね。」





前に言った言葉?
さくら学園長は文次郎になんと言ったんだ?






「ああ、確か『この時代には驚かされてばかりだ』だったか?」
「ええ。そのあと、良縁に恵まれた…、とも言いましたよね。」
「言ったな。」




今でもその言葉に変わりありませんか?と聞く文次郎。
そして答えをドキドキしながら待つ。






「変わり、ないな。」
「やはり、あなたは一番信用出来ます。」





そう言ってニコリと笑う。
なぜ、我々が自分を信用したのか。
なぜ、我々は自分を認めたのか。
そうさくら学園長が聞いてきた。






「共に6年間、この忍術学園で過ごして来たじゃないですか。」
「僕達は5年間ですが、それでもさくら学園長の事を知り尽くしているつもりです。」





忍者ではない事も。
嘘が付けない事も。
なにより、ここの生徒の事を一番に思っている事、誰もが知っている。






「だからお願いです。もう二度と『あってはならない存在』だと思わないでください。少なくとも私達にはあなたが必要なのだから…。」





鉢屋三郎がさくら学園長に恋慕を抱いている事は知っている。(本人はどうだか分からないが。)
だからこそのお願いなのだろうな。








「本当に、この時代には驚かされてばかりだ。」







この時代も、なかなかいいな、と笑った。
気が向いたら、さくら学園長がいた前の世の事も教えてください。











「これはまさしく良い縁だな。」
「良縁に恵まれたのは私達も一緒です。」
「お?そうか?」
「はい。とても誇らしく思います。」
「そうか。お互い、その良縁を大切にしようではないか。」




――――――――――

忍者のわりに疑ってないなぁ。
でも天女は疑ってます。
長年の信頼ですね!
生徒達のセリフのみですが先生達もちゃんといるしちゃんと信用してます。他の学年の生徒達も多分盗み聞きしてます。

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