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見定め




つい先ほど、新野先生とシナ先生が連れて来た少女。
新野先生によれば大きな怪我はないが見た事もない衣を着ているため、警備を固めろとの事。
そしてシナ先生によれば衣を剥いでみたけど武器の所持はなし。手も至ってキレイだが着ているものが薄いため、遊女あたりではないか?との事。





「この着物の丈なんて短いし…。どう思う?善法寺くん。」
「寒そうですね。」




ニヨニヨしながらシナ先生が聞いてくるが実際そんな感想しかない。
丈を短くするなんてあざとすぎて逆に引く。
そうなると、遊女って線が高いかな?






「うっ……。」
「あ、起きた?」




うめき声をあげ、うっすらと目を開く。
こちらをチラッと見たあと、カッと目を開けた。





「なっ…、善法寺…、いさく…?」




少女が僕の名前を言った。
その瞬間スッと表情が消えたのがわかった。自分の今の顔は無表情だ。





「君は…、何者?曲者なら僕だって容赦しないよ。」
「ひっ……。」




クナイを首に突き付け聞く。
この手の人間は「自分は怪しい奴じゃない。」と言う。





「わ、私…、怪しい人じゃ…。」




ほら、ね。
じゅうぶん、怪しいよ。





「善法寺くん。」
「新野先生。」




戻って来た新野先生が待ったをかける。
なぜ?





「目を覚ましたら学園長先生の庵に連れて来るよう言われましてね。」





新野先生も笑いながらでも目だけは笑っていなかった。





「学園長先生の頼みなら…、仕方ありませんね。」
「私が連れて行きますので、善法寺くんは少し休んでください。」





徹夜続きだったでしょ?と言う新野先生の言葉に甘え、自分の長屋へと戻る。
保健室には入れ替わりに数馬と左近が来たから大丈夫だろう。







「それでは、学園長先生の庵に行きましょうか。」
「はい!(あの学園長なら突然の思い付きで〜って言うから大丈夫よね!)」





なら僕も、他のみんなにも第三者としての報告をしよう。










「伊作、例の少女はどうだった?」
「怪しいの一択しかないよ。」
「? 何かあったのか?」
「まだ名乗ってないのに僕の名前を当てたんだ。」
「気味悪いな。」
「今からさくら学園長の庵に盗み聞きに行かないか?」
「仙蔵、何を企んでいるつもりだ…。」
「なに、忍者の基本だ。」




――――――――――

伊作視点。
天女にたいして警戒心バリバリの伊作さんです。

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