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そして物語は始まった




編入生二人の歓迎会も無事終了し、平和に過ごしていた今日。
山田先生の息子の利吉くんが忍術学園に訪れた。
……女の子を連れて。(ただし、女の子は気絶中。)






「利吉くん…。結婚のあいさつか?」
「ち が い ま す。忍務の帰り道、空が光ったと思ったらこの子が落ちて来たんです。決して!私の彼女とかではありませんから!」
「分かったから少し落ち着きなさい。」





寝ている女の子に目をやれば、何とも懐かしい衣服を身にまとっているではないか。




「これはまた…。」




なんだ?
ならこの子も私みたいに生まれ変わった…と言う事なのか?
でもそうなるとなぜ衣服だけ現代版なんだ?





「変わった衣ですね。」




生まれ変わりか、何らかの形でタイムスリップして来たか、だが…。





「さくら、さん…?」
「え?ああ、どうした?」
「いえ…。顔色が悪そうですが…。大丈夫ですか?」
「ああ、心配ない。」





それよりもこの少女だが…。
やはり忍術学園が保護した方がいいのか?





「現時点で間者かは分かりませんが目を光らせる必要はありますよね。」
「そうだな。どこの城のくの一かもしれんしな。」





とりあえず、新野先生とシナ先生を呼び少女に怪我がないか確認させる。






「はぁ…。一波乱どころか二波乱だな。」
「? どう言う事ですか?」
「いやね、つい最近4年に編入生が二人来たわけよ。」





1人は浜守一郎。
ホドホド城跡で籠城していて曾祖父から忍術を色々教わった少年。
そしてもう1人が椿夢九。
戦孤児で身寄りのない老夫婦に育てられ恩返しをするため、忍術学園に来た少年。






「ほれ、資料だ。」
「部外者の私に見せても大丈夫なんですか?」
「おいおい。間者かも知れん少女を連れて来た君が何を言ってるんだ?」
「面倒みさせる気ですね?」
「プロなら容易い事だろう?」





浜守一郎と椿夢九の資料を見る利吉くん。
訝しげな顔をして。





「浜くんの一夜で落城も気になりますが、椿…くんの戦孤児も気になりますね。」




この苗字、老夫婦のですか?と聞く利吉くん。
私も知らんよ。





「それにどう見ても女子にしか…。」
「それ鉢屋三郎も言ってたぞ。」
「なぜ忍たまに?」
「性別欄に男と書いてあったから。」





まぁ、タカ丸に見張ってもらってるし他の6年や5年も交代で見張りをしているみたいだしな。
頼りになるよ、みんな。










「浜くんの方は?」
「浜は大分前、1年は組と籠城してたからな。いくぶん、信憑性はある。」
「なるほど、1年は組とですか。」
「ああ。他にも小松田くんや吉野先生もいたな。」
「それなら信憑性ありますね。」




――――――――――

2章が始まりました。
よろしくお願いします。
新キャラ浜くんの情報はあまり知らないので間違いがあったら教えてください。
利吉さんは山田先生関係で幼い頃からの知り合いみたいな感じです。

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