*SOS団
背後から…
*キョンside
俺がそう伝えようとすると、不意に左肩が重くなった。びく。俺の肩に朝比奈さんの頭が載っている。くったりした朝比奈さんが身体をもたせかけており、これは何の意思表示であることであろう。
「朝比奈さん?」
返答はない。
『みくるちゃん?』
「すう」
すう?
苗字が朝比奈さんの顔を覗き込む。
『寝ちゃってる…』
なんだなんだ。
ガサガサ──。
『ひぃっ』
突然、背後の植え込みが不自然に揺れて苗字が俺に飛び付いた。なんだなんだ。
「ちゃんと寝てますか?」
言いつつ暗い植え込みから出てきたのは…、またしても朝比奈さんだった。
「あ。キョンくん、名前ちゃん、こんばんは」
朝比奈さんゴージャスバージョンである。
隣で眠る朝比奈さんより何年か年長の、あちこち成長しまくっている朝比奈さんだ。
可愛さそのまま、グラマー度に大幅なプラス修正を施した妙齢の美人。
前にも一回会ったことがある。
あの時と同じ白ブラウスと紺色ミニタイトのコーディネイトで、その朝比奈さんは俺たちの前まで進み出た。
『えっ…みくるちゃん?…でも…えっ?』
朝比奈さん(大)と朝比奈さん(小)を見比べ、頭の中がパニックになった苗字は俺に助けを求めるように目をあわせた。
*
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