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トップシークレット
オーディション.3
秋人は満足そうに『イオ』の演技を見ていた。
誰もが圧倒される。
空気さえも変えてしまう、天性の演技だ。
(さすがは女優の血を引く…。血は争えないな)
秋人の視線の先で、水浴びを終えた『イオ』が不意にこちらを見やる。
ゆったりと、婉然と微笑んだ『イオ』に、誰もが息を呑んだ。
「…カメラテスト、終わり!」
プロデューサーの声が響き、『イオ』は一礼して退場した。

「しかし、凄いな。どこのプロダクションだ?」
隣に来たプロデューサーに、秋人は小さく喉奥で笑う。
「俺の秘蔵の女神です」
「はは。参ったな」
笑いながら、プロデューサーの目は真剣に『イオ』の姿を追っていた。

必然的に、『イオ』は秋人との共演カメラテストまで通過した。
「…よろしくお願いします」
はにかむように微笑んだ『イオ』に目を奪われたスタッフ達が、一斉に拍手をする。
「よし、じゃあいよいよ本番カメラテストだ」

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