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寮.3
 
大浴場から部屋へ戻るなり、イオンは秋人のほうを睨んだ。
「鏡で見た。キスマークはプールの時期はつけないって言ってたのに…」
鎖骨の窪みに、綺麗な桜がひとつ散っていた。
「これ、今日のでしょう」
「付けたかったから」
秋人は目を細めて笑った。
あの時だ。
イオンが秋人にすがりついた時、秋人はさり気なく鎖骨に口づけをしたから。
「恥ずかしい…」
「公認だからいいんじゃねえの」
にやにやとデレている秋人の幸せそうな目さえ気づかなければ、イオンはもっと怒っていた。
惚れた弱味というやつだろう。

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