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シークレット.3
そんなイオンに爆弾が舞い込むなど、この時イオンには思いもよらなかった。
それは、外出許可を取って秋人と向かった芸能プロダクションの一室。
「フェロモン香水のCM、ですか?」
イオンは、嫌な予感を覚えたが顔には出さずに打ち合わせ相手の統括マネージャーに聞き返した。
「プロデューサーたっての希望なんだ。秋人でいきたいと」
「俺は別にいいですけど。…イオン?」
「コンセプトは、男女の香り…ですよね?」
イオンは、マネージャーとして努めて冷静な表情で確認した。
「そうだ。相手役はオーディションで決める」
イオンの胸に、ジリ、と焼け付くような感情が走った。
「分かりました。本人も受けると言っていますので、この案件は有り難く受けさせて頂きます」
秋人は、統括マネージャーと商談を進めるイオンをじっと見ていた。
(妬いてやがる、こいつ)
可愛いやつだ、と内心笑った秋人だが、いつもめったに態度に出さないイオンのヤキモチをどうにかしてやりたいと、頭を巡らせた。

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あきゅろす。
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