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シークレット.2
イオンは秋人と水飲み場に向かいながら、ふと渡り廊下の向こうの写真部の視線に気づいた。
「有名税だね」
くすりとイオンは笑うと、自ら甘える仕草で秋人のジャージの袖を引いた。
シャッター音を気に留めず、イオンは秋人だけを視界に入れて珍しく人前で近づいて見せた。
「どうした、イオン?」
「ちょっと見せつけたかっただけ」
写真部が秋人のスポーツ姿を撮って売れば、たちまちチワワ系の男子の間で流行るだろう。
秋人に抱かれたい。
そう思う男子達への、イオンなりの牽制だった。
秋人が余所見をしないのは知っている。
それでも、妬く感情をイオンは感じざるを得ない。
イオンは自分以外の誰かに、秋人に抱かれる夢を見せるなんてイヤだった。

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あきゅろす。
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