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「俺にはんな事出来ねーわ。」
「そら駄犬には出来へんやろ」
「あ゛!?誰が犬だゴルァッ!」
「お前以外に誰がおんねん。…あー、でもお前やったら喜んで殴られに行くんとちゃう?」
お前ドMやろ?と、笑いながら続けるロビン。
あぁ…やはりあだ名は犬なんだな。と苦笑いで目の前の2人に視線を向けると、何故か少し険しい表情のロビンと目があった。
「…なぁシリウスちゃん」
『はい?』
「シリウスちゃんが抵抗せぇへんかったんは相手が弱い野郎やって事分かってたからやんな?」
『…?あぁ…まぁ。』
「うーん…まぁその選択も正しいと思うんやけどな?もし俺が助けに行けへんかって、相手がシリウスちゃんが抵抗せぇへんのをいいことに暴力が過激になっていってたらどないしてたん?」
真剣な顔で問いかけてくるロビン。
確かにロビンの言うことは正しい。刑務所内に居る囚人達の大半…とまではいかないが、多勢の者が組織関係の者が多い。
組織関係者…その者は命を狙われる可能性だってあるのだから護身術など身につけている者が殆ど。
そんな者達が刑務所にはうじゃうじゃといるのだから、相手が弱いから周りも…とはいかない。
暴力がエスカレートし、周りの組織関係者達も加わってきたのなら俺もさすがに怪我無しではいられない。
その事を心配してくれているのはわかるし、凄く嬉しい。
「そんな最悪なケースもあるんやから、これかはアホな野郎共の対応をどーにかせなあかんで?」
『…いや、うん…それはわかってんだけどさ…』
「何だよ、お前殴られるのが趣味とかか?」
「んなアホな事言うなや駄犬。お前とはちゃうねん。」
「あ゛ぁ゛ッ?!」
再び言い合いを始めた2人を咎めるように大声で俺は叫んだ。
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