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………うん、とりあえず。
シーーーーンっつー効果音はこーゆー事を言う訳ね。
おーけーおーけー。
痛い程わかったからとりあえず誰か喋れ。




周りに視線を配らせれば、何故か誰もが付近にいる者と耳打ちするか、固まったままかのどちらかのコマンドしかしていない。
出来れば俺は【逃げる】のコマンドを今すぐ選びたいのだが。


チクショウ、さっきあげた何とか草返しやがれ。
もしかしたら俺のHP回復するかもしれねぇ。




「ほらシリウス。何してるの並ばないの?」



ツンツンっと俺の服の袖を引っ張り列に並ぶジャックを勇者として称えたいのだがどうしよう。
そしてそのジャックの声により、止まっていた時計の針が動き出したかの様に周りが五月蝿くなった。





「なぁ、もしかしてアイツってよぉ」
「例のメディナファミリーの…」
「…あの裏の掟を破った奴だろ?」
「ナイトレイと一緒かよ…。」





俺は周りの陰口に眉をひそめた。
周りを見渡すと、陰口を叩いていた者達は蜘蛛の子散らす様に散っていく。

怖いなら初めから言うなよ。


一方のジャックは、シリウスに見惚れている大多数の者達に殺気を放っていた。





『………此処もか…』
「ジャックー!」




小さく呟かれたシリウスの言葉は、その場に響き渡ったボーイソプラノによって遮られた。





…アレだ。
例えるならば「ペ●ター!」みたいなやつだ。
ほらジャック。「ハイ●ー!」って返さなきゃクラ●が立たないぞ。




やべぇなんか俺本格的に電波キャラになってきてねぇか?
いや気のせいだ。うん大丈夫俺まだ戦える。

何と戦ってたのかはわからないけどな。







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あきゅろす。
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