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『…なぁ、ここってやっぱり女の子いないよな?さっきから男の話声しか聞こえないし。』



ここは牢獄だ。
つまり防音なんてしてる筈ない訳で、各部屋から雄叫びやら一オクターブ高いキャッキャッキャッキャッ言う男の声しか聞こえてこない。



「あぁ、男ばっかりだよ」




にこやかな笑みでバッサリと俺の望みを切りやがったコイツはマジ悪魔だ。

皆がいうようにコイツが王子ならその国終わってんな。
つか、女の子いないとか真面目に萎える萎えまくる…いや勃たないけどさ。



『やっぱそうだよな』と深い溜め息をついた俺に王子はニコッと笑い話を続けた。


「でも代わりに可愛い男の子ならいるよ」

『野郎に興味無い。否持ちたくない吐くぞ』

「ふふふっ、シリウスは両刀っぽいけどノンケだから此処じゃネコ扱いだよね。」

『……は?ニャーン?』




どーいう意味かわからない事もないが、とりあえず鳴きマネをしてみると「誘ってるの?」と黒い笑みで返されたため素早く止めた。



『えーっと………ネコって…?』

「ズバッと言うと掘られる側。」

『あ、やっぱりソッチか。』



ゲンナリと肩を落として呟くとジャックは意外だという顔で俺を見てきた。



「…なんだ。てっきり僕はシリウスが全くソッチの知識が無いのかと思ってたよ。」

『俺は無い方がよかったけどな。残念ながら俺は王道主人公みたいに天然じゃ無いんで。』

「……だから王道なんちゃらって何?」

『いや、なんでもねーよ。』




ハァ…と溜め息を付いた俺はなぜかこっている首をゴキゴキと鳴らした。

それにしてもそんな業界用語的な言葉久しぶりに聞いたな。

母さんからペチャクチャと聞かされ続けたあの悪夢が一瞬蘇ったぜ。

記憶よ永遠に眠れ。





……と、そこまで思って今更ながら無駄に叫んでみた。
叫びたい年頃なんだよ。
どんな年頃かと聞かれたら困るから聞かないでくれ。






『って、俺ネコ?!』

「ふふふ、どんたけ間を空けるのシリウス。因みに見た目も体付きも性格とか、ノンケ関係なしに全部合わせても俄然シリウスはネコだよ。」



ニッコリと世の女性が見たら即倒しそうなぐらい綺麗な笑みを見せてくるコイツの顔面を銃で撃ちまくりたい。

あーマジなんだこの腹黒王子コノヤロウ。絶対いつか痛い目合わせてやらぁ。




『つか、俺がネコ側とか関係ねーんじゃね?ここ別にホモが居るわけじゃねーんだしさ。』

「それが関係あるんだよ。」



ニッコリと笑ったジャックに嫌な予感がするのは何でだ。
つか、嫌な予感しかしねぇぞ。







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