敬語っぽい喋り方の奴程変態率が高い*
『おま……何やってんだ』
「だってシリウス無防備なんだもん」
『どこが、……っ!』
俺の腰を掴んでいた彼の片方の手が胸元を弄る。
なんとか腰の手を離そうとしたが、そんな華奢な腕からどんだけパワー出てんだよみたいな感じで、逃げる腰を捕まえられた。
身動きとれないぞジャック君。
とりあえずビジュアル的に色々とキツいから離そうよその手。
『おいコラ。マジ冗談よし……、っ!』
胸元で動いていた手が胸の突起を軽くなぞった。
急なことに息を詰めた俺は後ろにいる男をキッと睨みつける。
「冗談とかでこんな事しないよ?」
『尚更たち悪りぃだろ!』
「…シリウス少しお口チャック」
『なにが……、』
反論しようと俺が振り向くと、視界いっぱいに端正な顔。
唇に柔らかい感触。
ちょっと落ち着けよジャック。
お前相手男だぞ。男の俺にキスして何が楽しいんだ。
因みに俺は全くもって楽しくないぞ。不愉快だぞ何で1日に2回も男にキスされなきゃなんねーんだよ。
アレか。今流行りの王道なびーえるとか言うやつか。そうなのか。
…だとしたら、ここで主人公は頬を染めて怒んなきゃなんねーのか―。わーメンドーだね主人公ー。
俺一応主人公だけど出来れば通行人Bが良いな。
なんで通行人Aじゃないのかと聞かれると、物凄く困るから聞かないでくれ。
こんなにも俺が冷静なのは不覚にも男にキスされるのは初めてじゃないから。
…どうやら俺は先ほど言った通り顔がマシな分類……つかイケメンだから女性に困った覚えはない―――だがしかし困った事に男に告白される事も度々あるんだよな思いっきり不覚だけど。
確かにボクイケメンですけど。
イケメンですけど男はちょっとーみ・た・い・な?
………はい黙ります。
別に偏見がある訳じゃない。
人はそれぞれ違うから。
けどな。
だけどな。
頼むから俺を巻き込まないで頂きたい。
なんていう叫びは、勿論ジャックに届く筈もなく。
奴の手は、突起をグリグリ押しつぶしたり摘んだり…かと思えば優しい手つきで撫でたり。
いつの間にか離された口からは、既に反抗の声は出ず、艶やかな声が漏れてしまった。
『う、ァあ……っ、…ん』
先に言っておこう。
俺は決して淫乱とかじゃないから。
男は快楽に弱い生き物だからさ。特に体とか。体とか。体とか。
おいお前最悪だなとか思うのはこれまた人それぞれだが、快楽に弱くない男は病気だと俺は思う。
これは俺個人の意見だから参考とかにはならないけどな。
俺、自分と快楽に素直な子だから。
………はいすみません黙ります。
思いっきり現状からそれていた思考を戻した時、腰を掴んでいた奴の手がスルリと内股をなぞった。
……補足しよう。
いくら快楽に弱い俺といえど、男に抱かれる趣向は無いのであしからず。
えぇ、とりあえずぷっちーんきたよ久しぶりに。
神経さんぷっちーん言ったよ2、3回。
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