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急に静かになったレノを不審に思い、その不覚にも俺より高い場所にある彼の整った面を見上げると、見事に驚いた顔のまま固まっている。
不思議に思い目の前で手を振るが無反応。
どうやら故障か?
「……っふ」
『?』
急にしゃがみこんで肩を震わすレノ。
次は泣いてんのか?
なんだ、コロコロ感情が変わる奴…
「…ぶふっ、あははははっ!」
訂正。
ちょっと頭のおかしい奴だな。
途端に腹を抱えて笑い出したレノ。
もうさっきから、俺が入る牢の鉄扉をバンバンバンバン叩きまくりながら笑ってる。
『(なんだコイツ…)』
顔が顔なだけに心底残念な気持ちになりながら、俺はレノへ哀れみのこもった視線を投げかける。
…が、このどーにも残念な思考をしている刑務官は俺の視線もなんのそので、ケタケタ笑いながら愉快に話す。
もう帰ればいいと思う。
「ぷふっ、あーもーシリウスちゃん天然だねぇ!お兄ーさんツボにハマっちゃ…ぷっ、」
『…………。』
こんなんで大丈夫なのかアヴェルノ刑務所。
本気でこの刑務所大丈夫なのかと疑ってやまない俺だった。
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