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とりあえずこんにちは







【晴れ時々曇り。】




お天気キャスターのお姉さんがそう言ってたけど珍しく当たったなぁ…



そんな事を思いながら、高い高いアヴェルノ刑務所の門をくぐった俺は場違いな欠伸をした。























ある一件で悪目立ちしてしまった俺の名を知らない者は裏社会ではいない。

そしてその輩が刑務所入りしたニュースは早くも刑務所内に広まってしまった様で、刑務所内は妙に騒々しかった。




「まさか君が捕まるとはねぇー?」




牢へと向かう途中に先ほどから隣を歩いていた左目に眼帯をつけた若い刑務官が口を開いた。

俺より頭一つ分上にある端正なそいつの顔を見上げるとタイミングよくパチリと視線が合う。
その途端驚きの表情を浮かべる刑務官。



「あらららら噂以上の上物だ。」

『………そりゃドーモ。』




俺はいたって普通の平凡少年でも、無自覚な美形でもない。
むしろ整った顔立ちだとは自覚済み。


それは事実であるからして、隠したり自覚していないよう装う必要はない。


そう幼い頃、当時自分の顔がコンプレックスだった俺に母親が言い続けていた言葉だ。


「ふーん……自覚済み…ね。媚びてない態度も初々しいし…可愛いね君。」




自分の顔が好き…という訳ではないけどそれを褒められることは嬉しい。


だが、同じ分類……しかもかなり顔立ちが良い奴に言われても『なんだかなー』と思うのが正直な気持ち。

そして更に、自覚してない訳ではないこの少々女顔な顔立ち。
それを褒められても正直ぶっ殺したいぐらいだ。デリケートゾーンだからその話すんなつーこと。

だからといって初対面のコイツにそれが通じる筈もなく相手はニコニコと愛想の良い笑みを振りまいている。




『(男に笑顔振りまいてどうすんだ)』



ブラックリストにコイツ入れてやろうかと思い悩んでいた時、愛想の良い笑みのまま相手は自己紹介を始めた。

なんか、いかつめの顔とおちゃらけた中身が一致しない奴だな。




「俺は【レノ=ブライン】よろしくねー?」



名乗られたのだから名乗るのが常識と自分の名前を名乗ろうと俺は口を開いた。



『…あー、俺は…』

「【シリウス=ブラッド】しょっ?」






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あきゅろす。
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