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日常?シリーズ
馬鹿な子ほど可愛い・・・はず
幸村が部長になった後 期末テストの憂鬱です


「あ…」



これはヤバイ。非常にヤバイ。

自分で言うのもなんだけど頭は良いほうだ…数学以外は。

提出物とかはちゃんと出してるから成績はなんとかなってるけど、テストは低空飛行気味なんだよなぁ…。

うん、アウトだこれ1点足らない!!

遂に低空飛行からもう墜落の態勢に入ってるわ。どーしよ…。

後ろから視線を感じて振り返ると妙にニヤけた赤也がこっちを見ていた。



「…………見た?」

「…満月やらかしてんじゃん」



真後ろの席の赤也に見えないようテスト用紙隠したつもりだったのに…。

めっちゃ爆笑してるけどね?英語赤点取ったこと私知ってるんだから。



「人のこと言えないからね?分かってる?」

「げっなんで知ってんの!?」

「あれだけ叫べば分かるから」


テスト貰った瞬間に盛大に叫んだことを忘れたのか…。私だけじゃなく、クラス全員が気づいたと思うんだけど。



「嫌だー放課後マジ来んな」

「でもさー絶対バレる上に、残念ながらもう放課後間近だけどね」

「何?お前らやらかしちまったの!?うわっアレが待ってんだろぃ」

「「…っ!」」



いつの間にか後ろからのぞき込んでいたのはブン太先輩だった。

なんか楽しそうにガムを膨らましている。



「ブン太先輩…なんでここに?」

「そうっすよーわざわざ迎えにきたんスか〜」

「バーカ。結果見に来たに決まってんだろぃ」

「そう言うからにはブン太先輩はセーフなんですよね?」

「当たり前。真田の鉄拳はゴメンだからな」



隣で赤也が真っ青になっていく。鉄拳って聞いたらそら青ざめるよね。

鉄拳だと…!!まさか、私も!?

真田先輩なら、やりそうで怖い。っていうか確実に殺られる



「私…も、ですかね…?」

「うーん流石に満月は女の子だからなぁ。殴らねぇとは思うけど…」

「でも、副部長ならやりそうっス」

「…否定しきれねぇとこが怖ぇ」



もし、真田先輩の鉄拳が避けられても、精ちゃんの笑顔か柳先輩の開眼は避けられまい。

そんなの、嫌すぎる。赤也が居てほんと良かった…!



「ほら、もう行くぞ。遅くても鉄拳だぜ?」

「「はー…い」」



*****



「で?この点数は何?」

たるんどる!!

「…(びくっ)ご、ごめんなさい…」



赤也と私は絶賛正座させられている。

3強に囲まれたらビビるのも仕方ないと思う。…怒られるなら尚更。



「特に赤也。これは酷いよね?ひと桁とかふざけてるの?」

「…すみません」

「赤也さっさと立たんか!!」

「…待って!」



思わず赤也をかばってしまった。

私もひょっとしたら殴られるかもしれないけど、赤也を殴られるのを黙ってみてられなかった。

だって分かってたのに。

赤也が英語出来なくて必ず赤点だって

分かってたのに何もしなかってマネージャーとしてだめなんじゃないの?部活に支障が出るのに…



「満月?」

「私、赤也がこうなること予想出来てたのに何もしなかった。部活に影響出るのにほっといた私がいけなかったの…。マネージャーとして赤点取らせちゃダメだった」

「…満月も赤点だけどね」

「うっ…」

「これは、マネージャー共々面倒を見きれなかったこちらに責任がある、という見方をしなければならなくなるな」

「ふむ。確かに一理ある」



な、なんとか阻止できた…?

なんか3人で相談し始めたんですけど。逆に怖いですが…。



「満月サンキュ」

「…人事じゃ無かったしね」

「それでは今回は俺達がお前達に教える。次回からは自分達で分からん問題を聞きに来い」

「「…はいっ」」



これはこれで最善の選択だと思う。問題は誰が教えるのかっていうことだ。

…出来れば3強は遠慮したいなぁ〜?

柳先輩は開眼怖いし、精ちゃんは黒魔術とか怖いし、真田先輩は怒鳴られそうで怖いんだもん。

こんなこと口避けても本人目の前に言えないけども。



「赤也は俺が教えよう。良いか?精市」

「あぁ赤也は任せたよ蓮二。それで、満月は俺達じゃ嫌なの?」

「………」

「ふーん。じゃ、その代わり自分探すんだよ?最後の最後に泣きついてくる満月が楽しみだよ…ふふっ」

「大丈夫です!」

「あっそうそう最後に言い忘れてたけど、もしも追試落ちたら、五感奪うから覚悟しといて

「「…(こくこくっ)」」


うわぁなにがなんでも受かるしかない。

数学得意な先輩って誰が居たかな。



「良いことを一つ教えてやろう。数学が得意なのは、精市と仁王と柳生だ」

「あっありがとうございます柳先輩…!」



精ちゃんはなしで、仁王先輩はなんか騙されそう。そうなると消去法で柳生先輩ってことに…。

柳生先輩なら紳士だし、きっと教えるのも上手だと思う。うん、早速頼みに行こう。



「なんじゃ?呼ばれたような気がしたんじゃが…」

「いえ、大丈夫です。誰も呼んでないんで」

「その言いようは酷いぜよ。流石に勉強で詐欺は使わんよ」

「柳生先輩に頼むんで間に合ってます。どうぞテニスに集中なさってください」

「なんかいつも以上によそよそしいんじゃなか?」

「気のせいです」

「じゃあ引っ込むぜよ(これは柳生になるしかないな)」



後日、先輩達にお世話になった満月と赤也は追試を無事合格した。

特に満月は満点合格という素晴らしい追い上げをみせた。

ただ、その数学を教えたのは柳生ではなく実は仁王だったことを満月はしらない。

そして、仁王が柳生になってまで勉強を教えた理由も謎に包まれたままである。



無理やり仁王がログインしました…なぜ?
それとごめんね赤也、勝手にひと桁にして。そこまでではないと思ってます…はい。

2012 3/17 更新

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あきゅろす。
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