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日常?シリーズ
かーらーすー、何故鳴くの
後編です


時刻は過ぎ、授業も掃除も終わってちらほら帰る人も出来てた放課後。

そんな中、逃げることなど恐れ多くて出来ない私に残されている選択はここで大人しく待っていることだけだ。

ん?何か廊下が騒がしい…?



「よっ…あー…誰だっけ?」

「…(誰?)」

「はぁ。日下部満月居るか?」

「あっはい。私、ですけど……」

「そうそう、そんな名前だった。幸村君に連れてこいって言われててさぁ。逃したら俺らがヤベェんだよ…。来てくれるだろぃ?」

「すまない。悪いけど我慢してくれ」

「へっ…?」



2年生だと思われる赤髪の先輩とスキンヘッドの先輩は、返事を確認することなく私を担いだ。

…担いだ!?

運びかた可笑しいです!目立ってます!!こうなったら、もう顔隠すしか…!

俵のように担がれたまま拉致られ、あっという間に部室に連れて来れられる。

結構な人数に見られてた気がする…。これである意味有名人になってしまったんじゃないだろうか…?

だから、話題になりたくないんだって…!!平和に過ぎしたいんです…!



「逃げなかったね。最悪、テニス部対満月で鬼ごっこも覚悟してたのに…」

「じゃ、俺ら練習戻るぜ…」

「あぁわざわざ迷惑かけたね」



二人の先輩は私の肩をぽんっと叩いて去っていった。

明らかに「ドンマイ」の合図ですよね!?



「これは、どうゆうことだ精市」

「大丈夫、大丈夫。先輩には許可取ってあるから」


部室の中には、一年のときからこの立海でレギュラーである、所謂三強が揃っていた。やっぱり迫力がある。

流石に有名すぎて名前と外見くらいは知っている。クラスにも何人かファンが居たはずだ。



「ふむ。マネージャーは取らないのでは無かったのか?」

「取らないのではなく、取れなかったの方が正しいな。それほどの人材がここ数年居なかっただけのことだ」

「そう、色々と問題が絶えなくて短期間で辞めていったらしいよ?」

「あ…じゃあ帰っても「満月?」…ッ。いえ何でもない、です…」

「その点、その辺りに関しては俺が保証するよ。平等に仕事はしてくれる」



仕事外ならともかく、与えられた仕事はきちんとやり遂げる自信はある。

テニス部はカッコイイとか色々言われているが、結局あんまり中身を見てないんじゃないかと思うときがある。

確かにイケメンぞろいだけども、しっかりみてたら精ちゃんに対して『はかない』だの『優しい』なんて言葉は出てくるものか。

…美人さんだけど!

でも私にしてみれば『ドS』で殺しても死ななそうだ。唯一の死因は呪い返しとかそんな気がしてならない。



そろそろ怒るよ?



…ほら心読むとか全然普通じゃない。ある意味『神の子』は正しいのかもしれない。



「データにないが、新入生か?」

「うん、俺の従兄妹。慣れるまでは少しアレだけど、それなりに躾は出来てるよ。…ふふっ」

ご、誤解を生む言い方は止めて…下さいっ…せ、…幸村先輩!



危ない危ない。精ちゃんと言うところだった。他の先輩も居る前で、そんな呼び方は出来まい。

学校では特に気を付けなきゃ。

ファンにばれたらとんでもないことになる予感がする。



「別に何時も通りでいいのに」

「しかし、いきなり入部させても良いものか?」

「弦一郎の意見も一理あるな。では、こうしたらどうだ?仮入部期間に仮マネージャーとして入り、特に問題がなければそのまま採用する」

「まぁそうだね。ほら、満月挨拶して」

「日下部満月です。よ、よろしくお願いしますっ!!」

「…あぁ(これは面白いデータが取れそうだ)」



帰り道やけにカラスが煩かったけど、私をバカにしているのか哀れに思っているのか、寧ろ祝福しているのかは結局分からなかった。

こうなってしまったからにはやるしかない。中途半端に投げ出すことは私の性格上無理だから。

最後まで、精一杯お仕事させてもらおうじゃないの!



彼女はその後、正式にレギュラー陣専門マネージャーとして入部することとなった。

あっちこっちにめまぐるしく働く彼女は瞬く間に噂となり、更にレギュラーを目指すための原動力になったとか、ならなかったとか



イジワルは幸村なりの愛情表現だと思います
これから頑張りますので、よろしくお願いします

2012 3/10 更新

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あきゅろす。
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