ハートの海賊団 人間としての一生を新しく始める 「一度しか言わねェ。一緒に来るか?」 目付きの悪い男がそう言って私へと手を伸ばす。 私は無意識にその手をとった。 この人も危険かもしれない。 そんな風に思わなかったわけでもないが、直感で気がついたら手を伸ばしていた。 男は私の手をしっかりと握る。 「…っ」 体中が痛かった。 腕も、足も、服で隠れた部分もアザだらけだ。 骨が折れているかもしれない。 男はその様子を見て、眉を寄せた。 「ベポ!安静にして治療室まで運んどけ」 「アイアイ、キャプテン。安心して?キャプテン目付きも口も悪いけど、優しいとこあるから」 「チッさっさと行け!」 私を捕らえていた男はきっと殺されるだろう。 あのキャプテンと呼ばれた人は強いから。 私はそうなるんだろう…? 「あのガキ、き、貴族に売れば…良い金に…。だから命は…」 薄れいく意識の中で、僅かに聞こえる会話。 「ふん。北の海の人間はユキウサギを大切にすんだ。醜い命乞いなんぞ、聞きたくねェな」 おかしな理由…… 私はそこで完全に意識を失った。 あの日、キャプテンが私を拾った時、彼に捨てられるまで彼らのために生きようと誓った。 あ〜あ見切り発車しちゃった…。 口調とか調べてこよう… 2011 8/6 更新 [*前へ][次へ#] |