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海賊
太平洋マリアナ海溝の近くを米国原子力潜水艦SXが航行していた。
「自由意思で働くことだ」SXのヘンダーソン艦長は、そう言って潜望鏡から目を離した。
「日本の艦艇がこの付近にいると情報が入っています」副長のホーネットは言った。
「日本はどうしようもない」艦長は言った。
「日本秘密結社ですから」
「日本は終わってない」
「ジャップはきちがいなんだよ」
「そうですね」
「ジャップに対する攻撃命令が下ったら、ためらいなく私はジャップを攻撃する」
「そうです」
「ジャップは血が通(かよ)っていない」
「冷たいです」
「日本での暮らしはエスキモーの暮らしだ」
「日本の国は精神病院だ。日本人は患者だ」
「惨殺を繰り返している」
「日本の戦後は患者の政権だ」
「日本は偉大な作家の存在がある」
「ノーベル文学賞があるからね」
「田中角栄については今も調べている」
(おわり)
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