delusive
Technique 2
私は男に連れられ、家に向かった。大きな滝の近くに別に小さいと言うほどでもない家がこの男の家らしい。
男は「狂」と名乗った。…どこかで聞いた事があるような。
「ここで寝てくださいね。私は隣の部屋に居るので、何かあればなんでも言ってください。」
狂は布団を敷いてくれた。ベッドじゃないのがちょっと…。まあ文句は言えないわ。右京の家だって敷き布団だし。慣れたわ。
「Hey.(ねぇ)」
私は男の着物を掴んで引き止めた。
が私の力が強かったのか男はこちらへ倒れて来た。
「だ、大丈夫？ごめん、力強すぎたかしら。」
「いえ、こちらこそ。女性の上にのしかかってしまって申し訳ないです。痛くありませんでしたか？」
「平気よ。わた…」
彼は私にキスをしてきた。少しびっくりしたけど、別に嫌ではなかった。
狂はほんの少ししたらすぐに唇を離した。
「すみません…つい。魔がさしたというか…」
「別にいいわよ。続けても。」
そう私が言うと彼は今までに無い笑みを浮かべた。獲物がかかって嬉しそうな笑みだった。
最初からそのつもりだったのか。さっきの男と比べたら上出来だ。
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