delusive
Technique 1
鈍い音がしたと思えば、目の前の男が殴られていた。
「大丈夫ですか?」
澄んだ綺麗な男の声がした。この日本語は知っている。
「ダイジョウブです。」
…こう返事したら良いのかしら。
「少し言葉が変ですね…外国の方ですか?」
…わからない。何を言っているのかさっぱり。
「…I'm sorry. I can't understand Japanese.」
「あ、やっぱり。 All right. Because I can speak English.(大丈夫ですよ。私は英語を話せますから。)」
良かった。英語が話せるようだ。にしてもなんなんだこの男。
「どうかしましたか?あ、もしかして今殴った人知り合いだったりします?すみません、嫌そうに見えたので…」
「私嫌そうな顔してたかしら…まあいいわ、ありがとうね。ちょうどウザかったのこいつ。さあこれからどうしよう…」
「行く宛が無いのですか?」
「ええ、まあ…」
「良かったらうちに来ます?女性ひとり泊めるくらいの場所はありますよ。」
…よく見たらこの男、角が…牙まで…妖怪?
まぁ泊めてくれるのなら良いかしら。襲って来たりするかな?
さっきの奴みたいに下手だったら殺してやるけど。
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