これはただのネタですから
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「ここが屋上。」
ギイイと鈍い音を立て、まばゆい光が薄暗かった階段の踊り場に差し込める。
屋上ってこんな風になってたんだ。
「これでたぶん全部回ったと思うけど・・・。」
「ありがとう。」
ニコニコと笑いながらこう言う心愛ちゃんの顔が逆光で見えなかった。
笑ってると分かったのは雰囲気からだけど、少しおかしい気がしたのは気のせいだろう。
「あのさ、花菜ちゃんって沢田くんと仲いいの?」
「沢田?クラスのなかでは喋るほうだと思うけど・・・。」
「そっか・・・・。」
それきり黙った心愛ちゃん。
これは帰っていいのだろうか。それとも付き合ってここにいた方がいいのだろうか。
わたしとしてはいろいろしたいこともあるし、なにより太陽嫌いだから帰りたいな。
「花菜ちゃん・・・。」
あ、しゃべった。
てことはこれ帰れないフラグですね、はい。
できれば手短にお願いしよう。
「・・・・・・・・・・ごめんね?」
太陽が雲に隠れてやっと心愛ちゃんの顔が見れた。
その顔には涙が溢れていた。
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