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未来を君に捧げる
現代パロ


放課後
教室に二人きりになった。

僕が勉強を教えてくれ、と頼んだから。


「タカ丸さん、理解は早いのに、何故留年したんですか。」

「あはは、出席日数が足りなくてねぇー」

「そうなんですか。」

「でもね、今年は頑張るよー」

「ほう」


手を止め、目が合った。
夕日のせいで顔が橙色になっている彼の顔はいつもより綺麗な気がする。


「だってね、今年も留年したら綾ちゃんと一緒にいられる時間が減るでしょ?」

「そんなことですか。」

「そんなことじゃないよぉ、僕にとっては大切なこと!」

「そうですね。タカ丸さんがいないと静かすぎるかもしれませんね。」


ほんの少しだけ微笑んだように見えた。


「でしょ?綾ちゃんも滝くんも三木くんも、きっと寂しいよー」

「寂しいなんて言ってないです。」

「あはは、本当は僕のが寂しいんだ。みんなから離れるのが。」


ふにゃり、といつものように笑う。
いつも通りの笑顔になっているだろうか。


「じゃあ、くれぐれも単位を落とさないように、遅刻も早退も欠席も私が許しません。」

「あはは、頼もしいねー」


きっと、この子に出会ったから今の僕があるんだ。


「綾ちゃんも、留年なんかしないようにね」

「タカ丸さんと一緒にしないでください。」

「じゃあ、約束!卒業するまでずっと一緒。」


僕は、小指を立てて彼の目の前に手を突き出す。


「ううん、卒業してからもずっと一緒!ね!」

「そうですね、それも面白くて良いかもしれません。」


彼も小指を立てて僕の小指に絡める。


「うーそついたら、はりせんぼん、のーます!ゆーびきった!」




(きっと、君のためなら頑張れる。)




―END―

うちのタカ丸さんは、そこまでバカじゃないです。

楽しみを見つけたのでその為だけに頑張るタカ丸。
綾部は勉強を教えるんじゃなくて正解か不正解か教えるくらいしかしなさそう。


あきゅろす。
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