榛名元希 +月の光を小瓶にあつめて きぃきぃと自転車を漕ぐ音がする。 その音は何故か寂しそうで、私の心を表しているようだ。 だが突然きいいっと苦しそうな鳴き声をあげて止まった。 「苗字?」 聞こえた声は間違いない、あいつだ。 席替えをして隣になった榛名元希。 そうだよ、偶然だね。だなんて返して座っていたベンチから腰をあげる。 部活終わったの?と問えば、おう…なぁ俺もそこ座っていい?だなんて。 構わないけど、立たなくて良かったじゃんと小さい戯れ言をこぼしながら元の場 所に座る。 「なぁ」 「ん?どした?」 「お前…失恋でもしたの?」 妙なとこ鋭いよね、榛名ってと思いつつ「まぁね」と返答すると返ってきたのは 歪んだ榛名の顔。 「どうしたの榛「俺にしろよ」 あぁ、やっぱり?なんて思ったけど口には出さない。 気づいてた、なんて言ったら傷つきそうだもんね、榛名。 ありがとう、それだけを告げて私は立ち上がる。 月の光を小瓶にあつめて (あなたの歪んだ笑顔と) (月の光) (二つに蓋をして) (私は歩き出す) 意味わかんなくなってしまいましたが、ヒロインはまだ元彼を忘れられない、っていう。 榛名の気持ちには薄々気付いてたけどねっていう。 わけわかんないねっていう← [*前へ][次へ#] |