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榛名元希
絶交でいず
喧嘩したきっかけは、覚えてないくらいくだらない。

「榛名の馬鹿!」

「は?お前より数学3点上なんですけど!」

「んなっ?!英語は私が5点上だし!」

「っち。可愛くねーやつ。…!知らねーぞ?」

「あ?何がだし!」

「あんま可愛くねーと、口訊いてやんねーぞ」

「あんたとなんか話さなくたって別にいいし!!!!」

「よし、今日から絶交だかんな!」




──絶交でいず


榛名と話さなくなってから今日で三日目。
はっきり言って、かなり過ごしづらい。

宿題はひとりでやらなきゃいけないし、体育の時間のペアもいないしさ。


なんだかんだ言って、榛名といる時間が長かったってことに気づかされた。

でも、私から謝る気は到底無い。

売り言葉に買い言葉で喧嘩しちゃったけど、私の性格上謝れないことは私が1番わかってる。


「はぁ。」
一際大きなため息をついて机に顔をつけ、そっと目を閉じる。


目を閉じれば、浮かんでくるのは榛名のことばかりで。

少し自分にびっくりした後に気づいた。
あぁこれが恋なんだって。



恋って気づいてからは、榛名のちょっとした仕草に凄くドキッとしたり、榛名が女の子と話してるとムッとした。

─榛名と1番仲が良いのは自分なんだ

そんなことを思うまでに、私は榛名が好きになっていたみたいだ。

絶交してから一週間。
やっぱり榛名と話せないのはつらいなー、と思いながら下駄箱を開くとはらりと
何かが落ちた。

どっからどう見てもラブレターだよな、これ。

白い便せんに
黒い文字。

あなたが好きです。
放課後、屋上で待ってます。


飾り気のない文章だったけど、初めてもらったラブレターに私は少なからず喜んでいた。






放課後になり、屋上に足を運ぶ。

まだ来てないのか。
うん、風にでも当たってようか。

知り合いだったらどうしよう、とかカッコよかったら…とか。

ついさっきまではそんなことを考えてたのに、今はなんでかな。

榛名の笑顔が頭に浮かぶよ?

(お前のために甲子園行くぜ!)
そう言ってニカッと笑った顔。


(俺のペアはお前しかいねーだろ)
とはにかみ微笑む顔。


(西浦のキャッチャー阿部隆也の真似ー)
そう言ってニヤッと笑う顔。


──キイッ

はっと顔をあげると屋上の扉が開くのがわかった。



「あ、」

そこに立っていたのは今まさに考えていた人。
榛名元希。

「……あの、さ」

拉致があかない。
とりあえずここからは立ち去ってもらいたい。

「榛名…君。私、人に呼ばれてここにいるから悪いんだけど出てってもらえない
かな?」

「知ってる」

「じゃあなん「ゴメン!」

遮られた私の声。

「呼び出したのは俺だから心配いらない。」

「は?何言って「俺、さ!」

お前はなんでいちいち遮るかな!
ま、いつものことか。だなんて思うのは私だけの特権だと思うとちょっと嬉しい。


「俺、さ?」

もう一度確認するように呟く榛名。
顔真っ赤だけど、大丈夫かこいつ。

「お前と話せなくて気づいたんだけどよ?
俺、つまんねーんだ。
名前がいないってだけで野球も上手くできないしさ。

俺…、名前が必要なんだけど。」


榛名はそれだけ告げるとツイっと顔を背けた。

な、なんだ?!急に!!
え、告白されたのか!

突然の情報収集に頭が働かず、顔に熱が集まるばかり。


沈黙が長かったせいか、だーっと言って榛名がこちらに向き直る。

「俺様が、好きって言ってやってんだよ!喜べ!!」


なんて理不尽な理由だろうか。
でも、許せてしまうのはあなたの魅力のせい?

それとも私の甘さゆえ?



───絶交でいず

(あなたと/お前と)
(話せないほど)
(つらいことなんて)
((ない!))



結局二人とも寂しかったって話\(^o^)/
元のhpで名前の変換ミスを見つけたので直しました☆
よくやっちゃうんです…
すいませんでしたorz

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あきゅろす。
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