進撃の巨人 7話【人類最強を倒せますか?】 「今日から本格的に立体機動の訓練を 「ふふふ・・・・・・」 訓練内容の説明を行おうとするキースは、ウィルの不気味な笑い声によって話すのをやめた。 「気味の悪い声をあげるな・・・・・・」 指摘を受けたウィルは手で口元を覆った。 「いいか。立体機動は巨人と戦うのに無くてはならない技術だ。状態移動が難しいが・・・・・・慣れれば何も問題は無い」 キースの丁寧な説明を真剣に聞きつつ、ウィルはまっすぐ手を挙げた。 「なんだアルバード質問か?」 「はい」 言ってみろ、と言ったキースの目を見ながら、ウィルは重々しく口を開いた。 「立体機動を駆使出来れば・・・・・・人類最強を倒せますか?」 キースは一瞬悩んだが、すぐに答えを返した。 「お前の頑張り次第だ」 その言葉を聞いて、ウィルは挑戦的にニヤリと笑った。 「よっ」 小さい声とともに、目の前の壁にアンカーを打ち込む。 「えーと・・・・・・」 ワイヤが巻き取られウィルの身体が勢いよく浮き上がる。慣れた様子で体重移動を行い高い塔の頂点に登ると、後方に唖然としているキースの顔が見えた。 ――意外と出来るもんだなぁ。 もともと運動能力がもの凄いウィルにとって、立体機動を扱う事は難しくなかったようだ。 塔の上で何やらキョロキョロしているウィルを見ながら、キースは開いた口が塞がらないでいた。 ――なんとなく予想はしていたが・・・・・・ここまで簡単にこなすとは。 104期生を首席で卒団していった女の顔を思い出しつつ、キースはウィルに降りて来るように言った。 かなりの高所だと言うのに躊躇なく飛び降りるウィルを見て、思わず頭を抱える。 ――アンカーを外していないではないか・・・・・・。 「うぐぇっ!」 落ちる筈の身体が急に止まり、腹を締め付けられたウィル。逆さまになり振り子のように揺れる姿を見て、キースは大きなため息をはいた。 [*前へ][次へ#] |