[携帯モード] [URL送信]

鬼灯の冷徹
2話:【見えてきた希望】

「はーい次の方どうぞー(棒読み)」
やる気なく適当に声を発した瞬間、頭にペンが突き刺さった。痛ぇよ。普通に痛ぇよ。
「しっかりしなさい」
「あんたからの暴行によって、しっかり出来ないんですよ」  
「チッ・・・・・・」
舌打ちしやがった。このクソ上司・・・・・・。
頭を殴られてから意識を失っていた私は10分と待たずに文字通りたたき起こされた。
ボーっとしていた所を
「いつまでだらけているつもりですか」
の一言により働かされて今に至る。こんな場所に来てもしっかり仕事を行うなんて、自分の順応力の高さにはビックリだよまったく。 

適当に亡者の生前の行いを読んでから閻魔大王の判決を待つわけだが・・・・・・前科7犯。どうやらこの亡者は悪人のようだ。・・・・・・ん?悪人?
「ちょっとそこのあなた。あそこに偉そうに立っていやがる顔面能面野郎をぶっ潰してくれたら減刑にしてあげますよ」
「何バカな事を言っているんですか」
「くそ、聞かれたか!」
計画は失敗に終わってしまった。

記憶がない事には私の死の真相(本当に死んだとは思いたくないが)を知る事も出来ないので取りあえずは大人しく働く事にした。
まぁ働けば記憶が戻るって訳じゃないけどさ。行動しないではいられない性質らしい。

上司である閻魔大王は本当に閻魔大王なのか!?と疑うくらい良い人だ。何というか・・・・・・すごく緩い。

それに比べて、こっちのクソ上司はドSで冷酷でどうしようもない。本当最悪な・・・・・・
「高槻」
「ふぇいっ!!なっ何ですか!?」
「出かけますよ。」
「はぁ?1人で行けばいい・・・・・・行きますから金棒振り上げないで」   
焦った〜!心の声が漏れだしたのかと思ったわ!

それにしても何でこの人は私の名前を知ってるんだ。個人情報の流出か。気をつけよう。

そういえば・・・・・・今出掛けるって言ったよね?考えてみれば初めてこの閻魔殿から出られるのか。これはチャンス・・・・・・!外に出ればこの危機的状況を打破してくれる優しい人に出会えるかもしれない!

そんな事を考えながら私は鬼灯さんの後を追った。



[*前へ][次へ#]

2/20ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!