REBORN
キャンディよりも甘く XANXUS ハロウィン
「ボース！」
ルッスにチョイスしてもらった魔女の格好で、ボスの執務室に入る。
きっと返事がないのは驚いて言葉も出ないからだ、なんてポーズを決めていた。
…それにしても、沈黙が長い。
視線をボスに移して、言葉を失ったのは私だった。
「ボ、ボ、ボ、ボスッ！？」
「…何だ」
長いマント、黒ずくめ、誰でも知っているであろう、その格好はまさに
「ヴァンパイア？！」
「それ以外の何かに見えるのか」
不機嫌そうなボスはいつものこと。
けれど今日は何かが違う。
その理由を考えていた一瞬の間にボスは間合いを詰め、私を壁まで追い詰めた。
何と言えばよいのかわからない私が、トリック・オア・トリートと言うと、ボスはどこからともなくキャンディを出した。
しかしボスは離れない。
「…あの…（近い…）」
「今度はお前の番だ」
「はい？」
「俺が欲しいものは決まってる」
話が通じない、と思った瞬間、首筋に痛みが走る。
ボスの唇が、私の耳に近づく。
「お前の血をよこせ」
霞む意識の中、聞こえた声は
キャンディよりも甘く
(dolcetto o scherzetto)
あとがき
とりあえず企画第一弾！
最後のイタリア語は「trick or treat」って意味です。
ボスは吸血鬼というよりヴァンパイアかなって←
090923 22:34
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