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REBORN
言えなかった XANXUS死ネタ

溺れるように散っていくなら
酸素を失ってもあなたは失いたくない








視界が真っ赤、なんて何回か見た光景だけど、今回が最期かなぁなんて暢気に考えていた。
生きたいって強く願うことをしなかった日々の自分に少しだけ後悔した。
ただ、何も考えずただ生きながらえるだけっていうのも嫌だった。
他人の命を奪っておいて、なんて贅沢で我儘なんだろう。
でも、人を殺すことを生業にしていてわかったのは『この世に生きているのはゴミばっかりだ』ということだ。
なんで生きたいのかと思って口からこぼれたのは、
「ボ、ス…っ」
なんとなくわかった。
そりゃ、彼とは恋人って間柄だったけど、私、自分で思ってるよりずっと彼に溺れてた。
「なんだ」
驚いて、血を吐き出した。
今の私、きっと血に塗れてて、すごく汚い。
見ないで、って言った気がしたけど、言葉は風になっただけだった。
「ザマねぇな、ナマエ」
「ザン、ザス…っ、がは」
「なんだ」
頭が割れそう。
私が殺してきた人たちも、こんなふうに死んでいったのかな。
「い、っしょに、いき…たかっ」
いっしょに いきたかった、よ



冷たくなっていく手に耐え切れない、俺の亡くしたはずの心は。
伝えられなかった言葉がたくさんあった。
お前が思っているより俺はお前が大切なこととか、
本当は抱き締めて離さないでいたいとか、
みっともない嫉妬とか、
壊したくなるほど溺れているとか
ただ、一番言って欲しかったのは
「愛してる」
なんだろうな。













あとがき
初にして死ネタな件
死ネタ書かないと甘いの書けない人なんで。
「いきたい」ってのは生きたいと逝きたいとかけてます。

080818





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あきゅろす。
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