[携帯モード] [URL送信]

00 短編
罪人 アリー
夕日を見て思い出すのは
いつか私が犯した罪ではなくて
愛しい人だった


「…帰ろう」
買い物の荷物を持ち上げ、夕日に背を向けた。
もうすぐ夜が来る。

「あれ?」
玄関の鍵が開いていて、私は驚いた。
「アリー?帰ってるの?」
そっと、しかしリビングまで聞こえる声で言うと、おうと返事が返ってきた。
「珍しいね、昼間に帰ってくるのは」
お帰りなさいと言うとアリーはこちらを向いた。
――また、人を殺してきたんだろうか。
こんなことを言ってはいけない。
だって私はアリーが人を殺して得たお金で生きているのだから。
私は、彼よりも罪が重いかもしれない。
「あれ、ゲイリーのほうだったの?」
「ああ、途中で呼び出されてなぁ…ったく」

スープをよそい、夕食ができたと告げる。
「今日は豪華じゃねぇか」
「そんな質素な食事だったかなぁ。まあ、今日は久しぶりに帰ってきたしね」
「ははっ。じゃ、久しぶりの家の飯を食うかな」

二人の夜は愛を確かめ一人の夜は想いを重ね
私はまだ罪人を愛している


あとがき

意味はありません。
…暗くなったかな
好きなんですよ、愛してます。
夕日見て、アリーさん想って切なくなっただけです。

090408 19:50



[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!