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00 短編
憎しみを左手に、右手に愛を アリー
あの男が私から総てを奪ったのだと気付いたとき
あの男は既に私の神だった



「あのガキはどうなんだよ」
「ああ、あいつか。おとなしくて助かるぜ。なんせもう8年だ。俺のことを神だと思ってやがる」
自分のことに間違いなかった。
「そりゃあ哀れな話だな」
私のどこが哀れなの?
「全くだよな、あの戦いを起こしてあいつの肉親を殺したのは俺だって言うのによ」
男たちの笑い声がこだまする。
私から総てを奪ったのは誰?
私の神は?

その夜、アリーの部屋に忍び込んだ。
「…何でお前がここにいるんだ」
「ねぇアリー、聞きたいことがあるの」
いつか護身用にと渡された銃を己のこめかみに突きつける。
とても冷たかった。
「あの話、本当?」
否定して欲しかった。
だけどアリーは煙草の煙を吐き出したまま。
煙草を灰皿に押し付け、容易く火を消す。
私もその煙草のような存在?
「そうだと言ったら?」
「っ、来ないで!」
今度はアリーに銃を突きつける。
けれど私の両手は動かない。
アリーはどんどん近づいてくる。
「お前の女の細い腕じゃ、誰かを殺すことなんざ出来ねぇだろ」
銃を握り硬直した私の両手をアリーがゆっくりはがしていく。
ひどく緩慢に見えた。
そうして私の手から銃が奪われたあと、アリーは安全装置を確認し、銃を部屋の隅に投げた。
と同時に私の視界は反転し、ベッドに押し倒される。
離して、と叫びたくても声が出ない、体が動かない。
「お前ももう15だ。この意味ぐらいわかんだろ?」
そして私は私の神に陵辱される――



あいつは馬鹿で賢い雌猫
俺の駒であることは変わらないのに


憎しみを左手に、右手に愛を







あとがき
インフルエンザで39℃台の熱出してるときに何やってんだか…
名前変換入れるまでは出来ませんでした。
何か…頭沸いてるよねw

090130 09:01

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